ライフ

大阪市「危ない道路MAP」 老朽化した橋がある阪神高速は要注意

大阪府「危ない道路」MAP

大阪市「危ない道路」MAP

 日本の道路の老朽化が著しい。8月10日、青森県むつ市の国道279号線にある小赤川橋が大きく崩れ、上下線が通行止めになった。豪雨で橋の中央部が崩落し、幸い死者は出なかったものの近隣住民に多大な影響を与えた。

 こうした道路崩落が全国的に発生する危険性があることを示したのが、8月25日に国土交通省が公開した「全国道路構造物情報マップ~損傷マップ~」だ。国交省道路局国道・技術課道路メンテナンス企画室の担当者が語る。

「全国各地の橋梁やトンネル、歩道橋といった道路インフラの老朽化の現状とどれだけ修繕が進んでいるかを閲覧できるマップです。該当する道路構造物を日本地図上で初めて“見える化”し、わかりやすく把握できるようにしました」

 国交省は、全国にある道路インフラの老朽化具合をI~IVの4段階で分類。そのうち「III早期措置」(早期に修繕などの措置を講ずべき状態)と「IV緊急措置」(緊急に修繕などの措置を講ずべき状態)に該当する4万件超の未措置の道路構造物を同マップに示した。

 冒頭の小赤川橋が通る国道279号線では、「佐助川2号橋」がIII判定となっている。

「現実問題として、道路インフラのメンテナンスは全体的に遅れており、とくにIII判定やIV判定を放置しておくと、たとえば橋の場合は落橋して通行の妨げになったり住民を巻き込んだ重大な事故につながったりする可能性があります。

 措置が遅れた自治体からは『マップを出してほしくない』との意見も出ましたが、国民に現状を知ってもらうためあえて公開しました」(前出・国交省担当者)

 そこで、本誌・週刊ポストは同マップを元に専門家の監修を得て、大阪市の「危ない道路」マップ(別掲図参照)を作成した。

 大阪市内で気をつけたいのが、老朽化した橋がある道路だ。リバーフロント研究所技術審議役で工学博士の土屋信行氏が指摘する。

「大阪は1970年の大阪万博を契機に橋が多く架設されましたが、現在、その多くが老朽化し、修繕が追いついていない状態です。たとえば阪神高速17号西大阪線の『西大阪港1橋』や『西大阪西成橋』などの橋が未措置状態となっています。

 また大阪湾に近い橋や道路は、海風にさらされて錆びつきやすく、老朽化が進行しやすい。

 河川が多く水運が発達した大阪で落橋が生ずれば、一時的に都市機能が麻痺するだけでなく長期間にわたり地域の分断が続き、救助や生活物資の運搬がストップする恐れがあります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン