14億人を超える中国の人口に話題を変えたセルジオ氏だが、この後も中国の李鉄監督に興味を持っていかれた。後半34分にはこう言った。

セルジオ氏:俺、ちょっと心配になってきた。中国の監督、映らなくなったから。
松木氏:帰っちゃったのかなあ。
セルジオ氏:帰られたかなあ。ホテルの荷物用意しに行ったとかさ。
松木氏:相変わらずフッってやってっかな。フーッって。

突然、中国の監督になりきる松木安太郎氏

 深夜の放送でこのまま「中国監督は今日が最後」の話題を続ければ、視聴者が眠ってしまうと松木氏は本能的に知っていたのかもしれない。「髪の毛フーフー」に続いて、新しい視点で捉える必要がある。35分、李鉄監督が映ると、松木氏はまさかの言動に出る。

松木氏:あ、映った。映った、映った。
セルジオ氏:監督変わる?
松木氏:映った、映った。「(突然、中国の監督になりきってセリフを言い始める)おい、いいか、おまえ。今度俺がいなくなったら、おまえ頼むぞ。あそこはこうしなきゃいけないんだ」
セルジオ氏:次の監督が出たかなと思った。
松木氏:今、フッってやってなかったね。

 セルジオ氏の更迭話を受けた上で、中国の監督としてコーチに話す振りを始めたのだ。37分、再び松木氏はなりきった。

松木氏:「(選手に向かって)いいか、おまえ、ジャンプしてやるんだぞ。ジャンプするんだ、ジャンプ、いっぱいジャンプするんだ、いっぱいジャンプ。2回はジャンプしろ」
セルジオ氏:役割多かったね、今頼んでたの。今、監督が与えた役割多かったね。
松木氏:多かった、多かった(笑)。

 松木氏の意外な言動によって、ようやくセルジオ氏は「最後の采配」から離れ、「今、監督が与えた役割多かったね」と話に乗ってきた。「いっぱいジャンプするんだ」の意味はよくわからないが、松木氏の“なりきり”が会話を進展させた。自分のペースに持ち込んだ松木氏は43分、ついにセルジオ氏を追随させた。

松木氏:(中国監督が髪の毛をフッと吹かせるのを見て)あ~ほらほらほらほら、やった、やった! 今度あれだね、中国とやる時にまたこういう機会があったら、何回やるかっていうのを、クイズにしたら面白いかもしれないね。今なんか3回くらいやったよ、一気に。(スタッフに)ねっ?
セルジオ氏:あれ、面白い習慣だね。

 セルジオ氏は「最後の采配」と呟かなくなり、松木氏は完全に空間を支配した。視聴者が気になる中国監督の髪の毛を吹かせる仕草に言及してペースを掴み、まさかの“中国監督なりきり作戦”でセルジオ氏からボールを奪ったのだ。アディショナルタイムの48分には、セルジオ氏が自ら指摘し始めた。

セルジオ氏:またフッってやってるよ。
松木氏:やったね、あ、またやったよ。さあ何回やったでしょう。

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