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高田文夫 楽しませてくれた日々を想いつつ“なつメロ”聴いて杯を重ねる

“なつメロ”で一杯

“なつメロ”で一杯

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。秋風が吹くなか亡くなっていく人に思いをはせつつ、なつメロについてつづる。

 * * *
“今はもう秋 誰もいない海”という歌が似合う季節となりました。秋風吹いてひっそり亡くなっていく方達も多く毎日、合掌。

“敏江玲児の敏江”としてテレビ・舞台で必ず爆笑をとった上方漫才。今だったら「DV」だとか言われ、あの暴力的な芸も封印されていただろう。80。

 東京の漫才で“ホームラン”の「勘太郎」。小野ヤスシの弟子として三波伸介の弟子の「たにし」とコンビを組む。私自身が小野、三波と仲が良く仕事もよくしたので若い頃から人の良い勘太郎をよく知る。65。

 女子プロレスの世界ではあの北斗と伝説の髪切りマッチをした元LLPW社長・風間ルミの死去が早過ぎた。55。

 CMの世界では伝説、あの桜井順が亡くなっていたと小さな訃報。野坂昭如が歌った『黒の舟歌』なども能吉利人の名で作品提供。レジェンドは87だった。

 様々楽しませてくれた日々を想い出すとついつい“なつメロ”で一杯、コロナ禍の自室呑みという形になる。今は“なつメロ”とは言わず“カバー”と言うらしい。

 以前もチラッと書いたがクレイジーケンバンドの初のカバーアルバム『好きなんだよ』が素晴らしい出来。9月20日に横山剣に会ったので「『冬のリヴィエラ』『難破船』『接吻』21曲みんないいネ」「いいネ!」と言うので「初のカバーだろ? 第2弾出すようだったらさ、POPSばかりじゃなく男くさいのも出してよ。どうせ悪党だったんだろ。『兄弟仁義』かなんか歌ってくれない」と言うが早いか「待ってました。持ち歌です。『兄弟仁義』は小学校5年の時から人前で歌ってました」だと。『唐獅子牡丹』なんかも歌ってくれると嬉しいな。

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