スポーツ

ドラフト会議、監督が「100点」と評価する指名は本当に大成功なのか?

ドラフトの成否がわかるのは先のこと(2019年、佐々木朗希投手との交渉権を獲得したロッテの井口資仁監督。時事通信フォト)

ドラフトの成否がわかるのは先のこと(2019年、佐々木朗希投手との交渉権を獲得したロッテの井口資仁監督。時事通信フォト)

 目玉の選手の交渉権を獲得できれば100点、外してしまえば50点――。そう判断できるものなのか。10月11日、プロ野球のドラフト会議が開かれる。例年指名が終わると、各球団の監督が点数を聞かれ、「100点満点」「80点」などと答えるやり取りがある。プロ野球担当記者が話す。

「報道陣の悪い癖なんですが、『100点』『80点』など数字で表してもらうと、わかりやすいという固定観念があるように思います。だから、記者は監督に点数を聞いてしまう。ファンの方もわかっていると思いますが、あくまで指名したかった選手が取れたかという意味での点数と考えてもらえばいい」(以下同)

 本当の点数は、何シーズンも戦った後でないとわからない。ドラフト会議で監督やゼネラルマネージャー(GM)、オーナーなどが『100点』と答えた指名選手は実際に活躍したのか。

 2013年、広島の松田元オーナーは「言うことない。100点以上」と大満足した。その言葉は、選手の活躍で現実になった。3球団競合の末に獲得した1位の大瀬良大地は新人王に輝き、3連覇を達成した2018年には15勝で最多勝。2位の九里亜蓮は4年目から8勝以上を挙げ続け、8年目の今年初めて2ケタ勝利に到達した。3位の田中広輔はリードオフマンとして2016年からの3連覇に貢献し、2017年には盗塁王と最高出塁率とタイトルも取った。4位の西原圭大は未勝利のまま2016年に戦力外通告を受けたが、5位の中村祐太は高卒4年目の2017年に5勝を挙げた。

「この年の指名選手たちがいなかったら、広島の3連覇はなかったのではないかというほどの出来です。先発ローテーションの柱が2人、1番打者が揃うドラフトはそうそうありません」

 2012年には、阪神が4球団競合の末に1位で藤浪晋太郎の交渉権を獲得し、2位・北條史也、3位・田面巧二郎、4位・小豆畑眞也、5位・金田和之、6位・緒方凌介の指名を終えると、中村勝広GMが100点満点を付けた。藤浪は高卒ながら1年目から2ケタ勝利を挙げ、3年目には14勝をマーク。最多奪三振王にもなり、名実ともにエースとなった。

 しかし、翌年は7勝と数字を落とし、2017年以降は一度も年間を通してローテーションを守れていない。2位の北條は高卒2年目で122試合に出場。レギュラーを取るかと思われたが、翌年以降はスタメンの機会を減らしていった。3位の田面は一軍で4試合投げただけで2017年に戦力外に。4位の小豆畑は一軍出場のないまま現役を終えた。5位の金田は2年目に5勝したものの、3年でオリックスへトレード。6位の緒方は2014年、2016年と主に代走守備要員として20試合以上に出場したが、ケガもあって2018年限りで戦力外となった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン