ブラジルではサングラス姿も披露された(2018年7月、撮影/横田紋子)
失意のスピード離婚後、あらゆるところで“跳ね返り”があった。
「誰かに後ろ足で砂をかけるようなことをすると、あとで自分に返ってくることを実感しました。私は事務所に内緒で籍を入れたので、離婚後にもう一度仕事をするチャンスをくださいと申し入れると、セミヌードグラビアになることを条件に復帰が決まりました。
それも一回だけ脱げばいいと思っていたら、その後も来る仕事来る仕事、裸の仕事ばかり。グラビアだけでなく日活ロマンポルノで『愛の白昼夢』『後から前から』と立て続けに出演しました」
清純派歌手の大転向に世の中は大きな衝撃を受け、畑中が歌った映画と同名の主題歌『後から前から』は大ヒットした。
「いま思えば、好評をいただいてありがたいことなのですが当時はやはりつらくて、お酒に逃げて二日酔いのまま現場入りすることもあった。自分で判断して結婚したんだから、その結果として生じたことにも自分できちんと向き合わないといけないことを痛感しました」
それでも畑中は「結婚してよかった」と言い切る。
「あのとき自分の意思で結婚を決めてよかったと、いまでも思っています。確かに理由は現実逃避だったかもしれないけれど、一緒にいたいと思える人と、一緒にいようと自分で決めることができたのは、私にとって重要なことだったし、何よりつらいときに逃げる場所があったことは大きかった。
結婚と離婚を自分で経験したからこそ、当時反対していた母や社長の気持ちがわかるようにもなったし、その後、手をさしのべてくれた人の優しさがわかったし、自分も誰かがつらい思いをしていたら助けてあげようと思えるようになった。
自分がやったことに責任を持つのは当たり前ではありますが、私に関してはこういう生き方をしてきたからこそ、人の優しさにも痛みにも気づけるようになったのだと感じています」
男女関係を幅広く取材するノンフィクションライターの亀山早苗さんも、結果がどうあれ決断したことは、未来の力になると語る。
「その人の人生にとって何より大切なのは、『私はこの人が好き。だから結婚したい』というふうに、“私”という主語をしっかりと定めて生きていくこと。これができればどんな未来でもたくましく生きていけます。反対に『親がこう言ったから』『周りが反対するから』と行動する理由を外部に求めると、結局はうまくいかなくなる。駆け落ちも自分で決断して一歩踏み出せたなら、結果として離婚することになったとしても、その先を生きる力になるはずです」
※女性セブン2021年10月28日号
眞子さまと佳子さま(2020年。撮影/JMPA)
風を受け気品漂うパンプス姿で歩く眞子さま(2019年)