日々の試食に加え、品評会での食べ比べ経験も豊富な西島氏が作成したチャート。全体のバランスを鑑み、あきたこまちを中心点としている
しかし、普段の炊く手順にも見直す余地がある。流通する米のコンディションが良くなり、昔の常識は通用しなくなったからだ。たとえば、きれいに精米され糠臭さのない今の白米は、徹底的に研ぐと肝心の旨味が減る。研いだ米をざるに上げて吸水時間を設けるのも×。元々柔らかい米粒が崩れ、炊飯後に余分な粘りが出てしまう。
「研ぎ時間は短めで、水の量をきっちり計量。あとは炊飯器に任せれば上手に炊けます。IH炊飯器は、やはり機能の優れた最新版を」
プライベートで16台の炊飯器を買い足し吟味してきた西島氏によれば、推奨する買い換えタイミングは約7年。 炊飯器業界にも流行はあり、釜のなかで水を対流させる“おどり炊き”が長らくブームだったが、次に期待されるのが“おどらない炊き”だ。粘りが減り「コテコテな味にならない」とか。収穫したてのブランド米と炊飯器のチョイス次第で、今秋は納得の行く味に辿り着けるだろう。
※週刊ポスト2021年10月29日号