岡田は過去のインタビューで、デビュー直後から最前列で踊る森田に対し、「初めの頃はちょっとしゃべりにくかった」と明かしている。イジられ役でコミュニケーションが取れていたかに思えたが、大きな溝があったのだ。
森田の存在が、岡田にコンプレックスを抱かせたこともあった。
岡田は2016年12月に『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)に出演した際、森田の存在をこう振り返っている。
「森田くんとか天才肌だと思うんだけど、天才肌の人たちを見て、『おれは普通だ』っていうのを若い頃にわかっちゃったっていうか……。アイドルとしても劣等感しかなくて……何やっても向いていると思えなくて……」
数か月前まで地元でラグビーに明け暮れ、体育会系だった少年が、きらびやかな衣装をまとって女性ファンに手を振る。急激な状況の変化に、岡田少年の心は追いつかなかったのかもしれない。
一方で森田は、ステージ上で迷いながらパフォーマンスを続ける岡田の前で、輝きを増していく。
10年以上、口もきかず
1997年、V6の名を全国区にしたバラエティー番組『学校へ行こう!』(TBS系)がスタートする。
「心が追いついていなかった岡田さんは、意識的に収録で消極的な態度を取ったこともありました。反対に森田さんは、その番組で新しい引き出しを見つけています。それまでの森田さんは人と話すのが面倒と周囲に話していたのですが、バラエティーを経験するなかで、分け隔てなくコミュニケーションを取るようになっていったんです。その姿を目の当たりにした岡田さんは、さらに追いつめられている様子でした。殻にこもるようになり、メンバーとはほとんど口をきかない状態だったそうです。後に、この頃を振り返って“末っ子の反抗期状態”と自分で語っています」(テレビ局関係者)
2010年に出演した『ボクらの時代』(フジテレビ系)で、岡田が「20才になったら事務所を辞めて、中学校の社会の先生になりたかった」と明かしたのは有名な話だが、当時は、かなりナイーブになっていたのだろう。
そんななか、人生を変える仕事に出合ったのは、2002年のこと。ドラマ『木更津キャッツアイ』(TBS系)への出演で、役者の面白さを見つけたのだ。岡田は反抗期を続けたまま、役者にのめり込んでいく。
「大量の作品を鑑賞したり、役のために格闘技や乗馬を習得したりして、役者としての引き出しを増やしていきました。それらの努力が実り、2007年に主演した『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)で、アクション俳優として高い評価を受けました」(前出・テレビ局関係者)