騙された人は多数…

西村容疑者のプロフィール。騙された人は多数…(画像はマッチングアプリより)

【6】初回デートでお金の悩みを打ち明けてくる

 1回目のデートを無事に終えても、油断は禁物だ。多田氏が語る。

「男性に安心感を与えるために、初回は無難に終わらせて、2回目以降に詐欺に嵌めるケースもあります。だいたい1回目で“親が病気で治療費を払っている”とか“大学時代の奨学金を返している”とか、さりげなくお金で苦労しているエピソードを出してくるのが特徴です。同情を誘っておいて、次に会ったときに本題に入るのです」

 清水弁護士は、50代の男性から過去にこんな相談があったという。

「アプリを通じて出会った20代の子に“病気で長期入院していて、治療費で貯金がほとんどなくなった”と援助を求められ、250万円を貸したところ、直後から連絡がつかなくなったということでした。このときも1度目に会ったときは“大学時代に重い病気にかかった”と明かされただけで、金銭を要求されたのは2回目だったそうです」

【7】自分以外の女性を紹介してくる

「近年、学生に援助交際を持ちかける悪徳業者が、マッチングアプリに登録できない未成年を“紹介”という形で斡旋するケースが存在する」(鈴木氏)

 昨年からアプリを利用し始めた58歳のC氏は、先日こんなことがあった。

「マッチングした女性から“実は私よりも可愛い子がいるんだけど紹介するから選んで?”とメッセージが来て、複数名の若い女性の写真を見せられたんです。明らかに10代に見える子もいて、“2時間3万円で好きなことをしていい”と言われたのですが、そんな目的で利用していたわけではないのでショックでした」

 こうしたケースで未成年と肉体関係を持ってしまった場合、“18歳未満だとは知らなかった”という言い訳は通用しない。清水弁護士が語る。

「児童買春は5年以下の懲役または300万円以下の罰金で、摘発されたら社会的信用の一切を失います。少しでも違和感を持ったら必ず顔写真付きの身分証明書を確認してください」

 簡単に出会えるアプリだからこそ、冷静な判断が求められる。

取材/河合桃子(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2021年11月5日号

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