スポーツ

ケガでNHK杯欠場の羽生結弦、深夜2時の猛特訓 五輪出場への覚悟

深夜に家から練習へ向かう羽生結弦

深夜に家から練習へ向かう羽生結弦

 フィギュアスケートグランプリシリーズのNHK杯に、異変が起きている。女子選手では異例の4種類の4回転ジャンプを跳ぶロシアのトゥルソワ、日本女子のエース・紀平梨花(19才)、そして羽生結弦(26才)が次々と欠場を発表した。優勝候補の相次ぐ棄権に心配の声があがるが、羽生を知る多くの人はこう話す。この状況は決して悲観的なものではないと──。

 スケートリンクの灯が消えたとき、時計の針は午前2時を指していた。隣接する大型ホームセンターはひっそりと静まり返り人気はなく、周囲に広がる田畑は深い暗闇に吸い込まれた。ほどなくして、リンクの職員用出入口のシャッターが上がり、車庫から1台のワゴン車が姿を現した。シャッターを開けた女性が小走りで、助手席に乗り込む。彼女は羽生結弦の姉、運転席にいたのは父親、そして後部座席には母親と羽生が座っていた──。

 この日、羽生一家を乗せたワゴン車が、練習拠点であるアイスリンクに到着したのは、午後10時過ぎのことだった。

「運よく羽生選手の姿が見えました。上下黒で、黒いキャップをかぶり、黒いマスクをつけて、黒ずくめのスタイルでした。ケガの報道があったので心配していましたが、車椅子にも乗っていなかったし、松葉杖にも頼らずに歩いていたので本当にホッとしましたね。家族総出で羽生選手を支えようとしている雰囲気も、ひしひしと伝わってきました」(目撃した人)

 アイスリンクが消灯するまで、実に4時間近く。その間、彼は氷上をどのような思いで滑っていたのだろうか。この数日前の11月4日、羽生が日本スケート連盟を通じて、今季の初戦となるグランプリ(以下GP)シリーズの第4戦・NHK杯(11月12-14日)を欠場することを発表した。

 連盟によると、練習中に転倒で負傷し、「右足関節靱帯損傷」の診断を受けたという。羽生は、《たった一度の転倒で、ケガをしてしまい、とても悔しく思っています(中略)ここまで最善の方法を探し、考えながら練習してこられた》とコメントしたが、NHK杯開催目前での、無念のリタイアとなってしまった。だが、彼のコメントはこう続く。

《今は少しでも早く氷上に立つことを目指し、痛みをコントロールしながら氷上でのリハビリをして、競技レベルに戻るまでの期間をなるべく短くできるように、努力していきます》

「今シーズンは絶望的」──北京五輪まで100日を切ったタイミングでのケガの報道に、羽生の未来をこう憂えた人も少なくない。しかし、氷上でのリハビリが深夜の午前2時まで4時間にも及ぶものだったことは、彼が決して今シーズンを諦めていないことを意味しているだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン