羽生が今季もカナダではなく、地元・仙台を練習拠点にすることを決めたため、リモートによるコーチングを行っているオーサーコーチ。だが、もはや羽生には指導すべきことは何もなく、ただ後ろからサポートしていくだけなのだという。それほどまでに彼は、技術面でも、精神面でも、高みに達しているということなのだろう。
11月8日、羽生がイメージキャラクターをつとめる「東和薬品」のWEBインタビューが配信された。その中で彼は、チャレンジへの決意と原動力についてこう語っている。
「やっぱり皆さんの目から見た羽生結弦っていうのは、オリンピックで2連覇しているし、4回転半っていうものにチャレンジしてたり、なんか獲るもの獲っただろうみたいなところがあると思うんですけど、叶っていない夢もいっぱいあって。
もっとゲームも上手くなりたいし(笑い)、ベースとかギターとかドラムとかやりたいし、本当は野球ももっとやりたかったし、たとえばすっごいちっちゃい事で言えば、バッティングセンター行けないなとか、みんなと一緒に遊びたかったなとかって思った時期もいっぱいあったので、叶ってないものはたくさんあると思うんです」
羽生が羽生でいるために、諦めてきたもの、捨ててきたものは、数知れない。NHK杯欠場の発表後も、深夜から明け方までひたすら練習に明け暮れたかと思えば、遊びにも行かずに振り付けの構想を練り、体を鍛える。毎日、黙々とスケートのことだけに集中し、滑る、失敗する、それでも滑る。そんな彼の姿からは「最後は僕が勝つ」という覚悟が見てとれた。
※女性セブン2021年11月25日号