スポーツ

新庄剛志、26年前の引退宣言騒動 「父危篤」の嘘で回避した

現役時代から注目を集めていた新庄剛志氏(時事通信フォト)

現役時代から注目を集めていた新庄剛志氏(時事通信フォト)

 日本シリーズそっちのけで話題を振りまくのが、日本ハム監督に“電撃就任”した新庄剛志氏だ。ド派手な服装、独特の“新庄節”、確かな野球センス──「宇宙人」と呼ばれる新庄氏の手腕に期待が集まるが、この異端の野球人はどのように育てられたのか。10年前に亡くなった父・英敏さん(享年70)が、本誌・週刊ポストに明かしていた新庄氏の歩みとは。【全3回の2回目】

 * * *
 1989年にドラフトで阪神から5位指名を受けプロ入りした新庄は、1992年に甲子園に「亀新フィーバー」を巻き起こしたが、1995年オフに当時の藤田平・監督と衝突するなどして突然の“引退宣言”で物議を醸した。この騒動については、英敏さんは「昔から行き当たりばったりのところがあって、深くモノを考えないんです」と話していた(英敏さんの発言は、週刊ポスト2001年2月9日号掲載・以下同)。

「“庭師になる”なんて言って、何も考えずに引退を表明したわけですから。あの時は、家内が“お父さんが危篤だ”と伝え、剛志は“僕のせいでオヤジの具合が悪くなった。もう一度、野球をしている姿を見せたい”と引退を撤回して、涙の会見で阪神に残留したんです」

 実際には息子を思い留まらせるための“仮病”だったとも明かしていた。

「会見後に記者が福岡まで私のコメントを取りに来たところ、私が元気で中洲を飲み歩いているのが見つかってしまった。私は“飲み歩くのが私の病気”と言い訳しましたけど、ダメでしたね(笑)」

 1998年オフには「ID野球」でヤクルトを日本一に導いた名将・野村克也氏が阪神監督に就任。野村監督の発案で“二刀流”に挑戦したり、敬遠球をサヨナラ安打にしたりと鮮烈な印象を残した。

「新聞では不仲と書かれていましたが、野村監督のもとでプレーした2年間でずいぶん成長したと思いますよ。投手の経験をさせてもらったお陰でちょっとは頭を使って野球をするようになった。1年を通じて4番を打たせてもらったことでも自信がついたようです」

 ただ、新庄氏の“宇宙人”ぶりには、野村監督も驚いていたようだと英敏さんは話していた。

「剛志は、野村監督の言っていることをいちいち聞いていたら体を壊してしまうと言っていたね。剛志が子供の頃から私は、“他人の話は聞くだけ聞きなさい。それで役立つことだけ覚えておけばいい”と言ってきたが、それを実践したようです(苦笑)。野村監督のようなタイプは苦手だったと思うが、うまく教えを吸収したんじゃないかと思っています。ただ、野村監督が1時間近くミーティングをしている途中に、剛志が“監督、このあたりでやめときましょうよ。覚えきれないです”と言ったそうで、その時は“おまえみたいなヤツは初めてじゃ”と言われたそうです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン