スポーツ

羽生結弦が不利となるルール変更をロシアが提案 浅田、荒川の恩師も後押し

(写真/Getty Images)

全日本選手権には出場なるか(写真/Getty Images)

 北京五輪の開幕まで、あと2か月を切った。多くの選手たちはこの時期から大会本番を見据えた調整に入るが、今後のスケジュールは見通せない状況だ。

 新たな変異株の影響で、大阪で12月9日から始まるはずだったフィギュアスケートのGPファイナルはあえなく中止。12月23〜26日には北京五輪の日本代表最終選考会を兼ねる全日本選手権が開催される予定だが、この大会への影響も避けられない状況になっている。

 政府の水際対策強化によって、羽生結弦(27才)と紀平梨花(19才)を指導するカナダのブライアン・オーサーコーチや、宇野昌磨(23才)を支えるスイスのステファン・ランビエルコーチら、外国人コーチが入国できないことも判明した。五輪出場を目指す選手たちが実力を存分に発揮できるかどうかが心配されるが、特に気がかりなのが羽生の動向だ。

「羽生選手は右足関節靱帯損傷のため、GPシリーズ第4戦のNHK杯と第6戦のロシア杯を欠場しました。全日本選手権にはエントリーしていますが、けががどんな状態なのかはわかっていません」(フィギュアスケート関係者)

 今シーズンの羽生の予定がまったく見えないなか、その陰で“ある動き”がスケート関係者をザワつかせている。

「ロシアスケート連盟が国際スケート連盟(ISU)に対して、フィギュアスケートの採点ルールの変更を提案しているそうです。その内容は大きく結果を左右する衝撃的なものですが、ISUは改正に前向きだと伝えられています」(別のフィギュアスケート関係者)

 まずは簡単にフィギュアスケートの採点法を復習したい。スケートの採点は、大きく「技術点」と「演技構成点」の2つからなっている。技術点はジャンプなど技の難易度に応じた「基礎点」と、技の出来栄えによって決まる「出来栄え点(GOE)」の合計で決まる。一方、「演技構成点」は「スケーティングスキル」「つなぎ」「パフォーマンス」「構成」「音楽の解釈」の5つの要素によって評価されるもので、「5コンポーネンツ」と称される。

「ロシアの提案は、『演技構成点』の変更で、この5つのうちの『つなぎ』と『音楽の解釈』の2つをなくし、評価の基準となる構成要素を3つに減らすというものです。演技構成点のなかでも、特にこの2つは演技の“芸術性”を担保する要素。もしこの案が採用されれば、フィギュアスケートの採点がより技の難易度を重視する方向に向かうことになる」(前出・フィギュアスケート関係者)

 例えば、トリノ五輪(2006年)で金メダルを獲得した荒川静香(39才)は、上体を大きく反らせた華麗なイナバウアーで名を馳せた。だが、イナバウアー自体に「技」としての得点はなく、「つなぎ」の要素として評価されていた。

 元フィギュアスケーターの渡部絵美さんが語る。

「フィギュアスケートという競技は、ただジャンプを跳べばいい、難しいスピンをすればいいというわけではなく、一つひとつの要素の間をどうつなぐか、曲に合った演技になっているかも重視されてきました。しかし、『つなぎ』と『音楽の解釈』の2要素を排除してしまったら、フィギュアスケートがただの“ジャンプ大会”になってしまいます」

関連キーワード

関連記事

トピックス

新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン