国内

マル暴刑事が振り返る 稲川会と住吉会の一触即発3年間と獄中の殺人告白

元マル暴・櫻井裕一氏が当時の事件について振り返る

元マル暴・櫻井裕一氏が当時の事件について振り返る

 元警視庁暴力団担当刑事・櫻井裕一氏は数々の暴力団関連捜査に携わった元有名刑事だ。自身の体験を新刊『マル暴 警視庁暴力団担当刑事』(小学館新書)にまとめた櫻井氏が、40年近く「マル暴刑事」一筋で過ごした熱い半生を語った。【全3回の第2回】

 * * *
 心は刑事、見た目はヤクザの出で立ちで、櫻井氏は名だたる大事件の捜査に加わっていく。

 極東会の五代目会長・松山眞一を引退に追い込むきっかけとなった2本の小指【エンコ】の捜査(※1)から、生活保護受給者を巧妙に使った山口組のシノギの追跡、全国で200億円以上の被害が出た岡本倶楽部事件……。マル暴としての華々しい経歴の白眉は、四ツ木斎場暗殺事件を皮切りに勃発した稲川会と住吉会の一触即発の3年間だろう。

【※1/2013年、60代の極東会系組長が、別の組織に属する組員に自宅に乱入され、小指を切断された事件。実行犯の組事務所にガサ入れすると、被害者の小指と、もう1本の別の小指が発見された】

 2001年8月、東京・四ツ木斎場で行なわれていた通夜に潜入した稲川会のヒットマンが、住吉会の大幹部2人を撃ち殺した。警視庁はただちに2人の実行犯を確保して両組織を手打ちさせたが、水面下の憎悪の炎は消し去れなかった。

 2002年2月、謎のヒットマンに襲撃されて重傷を負い、駒込の日医大病院に入院していた住吉会・幸平一家系組織の組長が、あろうことか病室で射殺されたのである(日医大病院ICU射殺事件)。

 駒込署のマル暴だった櫻井氏は捜査を主導し、その後に発生した前橋スナック銃乱射事件の解決にもつながる重要人物を逮捕、自供を得ることに成功した。

「四ツ木斎場から日医大、前橋スナック銃乱射は、1本の線で繋がっていました。日医大で身内の組長を射殺し、スナックで稲川会系の元組長を襲撃して3人もの一般人の命を巻き添えにした男を、社会に野放しにしておくわけにはいきませんでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン