国際情報

北朝鮮の国境地帯で住民の高級マンション売却進む 食糧難など背景か

高額で購入したマンションなどを安値で売る人々が続出

高額で購入したマンションなどを安値で売る人々が続出

 北朝鮮と中国、ロシアとの国境地帯にある住宅地では厳しい冬を迎える中、新型コロナウイルスの感染拡大による中国との貿易停止で食糧不足が深刻化し、高額で購入したマンションなどを安値で売る人々が続出していることが明らかになった。売りに出たマンションなどは、裕福な朝鮮労働党幹部や新興の富裕層らが相場の半値以下で買い叩いているという。

 米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」によると、高級マンションが売りに出されているのは中国遼寧省丹東と国境を接する新義州市や、中露との国境地帯で、中朝露3国共同の経済開発区が設けられている羅先特別市など。11月ごろから、高級マンションの売り物が増えてきたという。

 これらの地域は中国やロシアとの国境貿易が盛んで、北朝鮮の高官や国営貿易会社の幹部の住宅として高級マンションが盛んに建設され、高値で売買されていた。

 北朝鮮では住宅の個人所有は認められておらず、憲法では「すべての財産は国家が所有する」と定められていることから、政府はこれらの幹部らに特定の期間、これらのマンションへの居住を許可するという建前をとっている。

 しかし、実態はこれらのマンション購入希望者は地域の行政委員会都市管理部の担当者を買収して、新しい居住許可を受けているという。ある情報通はRFAに対して「都市管理部にコネがあったり、賄賂を使えば、実質的に家を買うことができる」と明かしている。

 とくに、新義州市は中国との貿易にかかわる関係者が多いが、新型コロナウイルスの感染拡大で2020年1月に国境が閉鎖されたことで、両国間の貿易はほとんど停止し、かつては大金を手にしていた貿易業者らはこの2年間、ほとんど収入がない状態に陥り、生活は困窮しているという。

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン