52歳の新人調教師として再スタートする蛯名正義氏

52歳の新人調教師として再スタートする蛯名正義氏

 でもトウカイテイオーはここでも強かったあ。前に行った馬は、みんなトウカイテイオーにやられて沈みましたね。シャコーグレイドは後ろから行ったので脚をタメられて8着まであがっていくことができました。彼にはその後天皇賞(春)や宝塚記念にも連れて行ってもらった。おとなしくてとても乗りやすい子でした。

 今考えてみれば、僕がジョッキーとしてデビューした頃は競馬がどんどんブームになっていくと同時に、競馬界が大きく変わろうとしていた時期なんですね。1988(昭和63)年に馬券の売上が2兆円を突破、わずか2年後には3兆円を突破するわけですから。

 1992年2月、いまはGIになっているフェブラリーハンデというダートレースで初の重賞勝ち。騎乗依頼も増えてこの年54勝をあげてリーディング12位になりました。GIも1993年には9回、1995年には天皇賞(春)で6番人気だったステージチャンプを2着に持ってくることができましたが、なかなか勝つことはできないと、新聞記者などに指摘されました。

【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。今年2月で騎手を引退、来年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。

※週刊ポスト2021年12月24日号

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