惜敗したオズワルド。画面右が伊藤(M-1公式サイトより)
「芸人さんが活躍する場を少しでも作りたい」
「わざと変な人を集めてるわけじゃないんですけどね。単純に面白い寄席を作ろうと思ったら自分の好みが寄っちゃってて、伊藤からしたらゲテモノライブじゃねえか! ってことになっちゃった。でもオズワルドもその中にいたんですから(笑)。
僕はNSCの作家コースからスタートして15年くらいなんですが、やはり芸歴が上がると自分が好きな人だけを集めたライブなんかは企画しやすくなる。だから、本当に自分が面白いと思う人を呼んでるだけなんです。
ただ、芸人さんが活躍する場を少しでも作りたい、という思いは多少はあります。根底にあるのは、僕が笑わせてもらってるという感謝。そういう人たちがみんなお金稼げたら一番いい。ライブの出番ごときじゃそんなにお金にはならないかもしれないけど、それを続けることで急にテレビに呼ばれたりすることもある。
ゴスケという芸人がいるんですが、キワモノ中のキワモノで、何を言ってるかわからないことも多いんですけど、昔から面白いと思ってるんです。どう面白いか説明できないんですけど、本当に面白い。大笑いさせてくれるから好きでライブにちょくちょく呼んでいたら、『有田ジェネレーション』という番組に出て脚光を浴びた。あと『ドキュメンタル』にもナダル軍団として出たんです。嬉しいですよね。劇場のピラミッドで上に行けなくてライブが少ない人にも、面白いと思った人には、本当に少しだけど出番を増やしたいというか、そういう細々とした貢献はしていきたいですね。
自分がまだ若くて何もできなかった時代に、面白いなと思っていたけど辞めて行っちゃった人がたくさんいた。そういうのを見てきたから、面白いと思う人は呼びたいなという思いはあります。それがメインかと言ったら違うんですけど。ただただ自分が笑いたいというのが一番なんですけどね」
とはいえ、自身が好きな芸人のタイプはあるのではないか。そう聞くと平島氏は「たくさん見すぎてよくわからない」と言いながら考えてくれた。
「人と違うことをやってる人、既視感がない人がいいです。僕は芸人はみんな唯一無二であってほしいんです。誰かのスタイルを真似るのは最初はいいかもしれないけど、芸人さんの面白さって、その人にしか出せない空気だと思っているので」