●香川「白みそあんもち雑煮」
白みその汁のなかに甘いあんこの入ったもちをイン!
■作り方
【1】里いも2個は皮をむき、大根2〜3cmは皮をむいて1〜1.5cmの厚さの輪切りにする。金時にんじん2cmは0.5cmの厚さの輪切りにする。
【2】鍋にいりこのだし汁2カップと【1】を入れて火にかけ、材料がやわらかくなるまで煮る。
【3】【2】にあん入りのもち2個を入れて、やわらかくなるまで煮たら、白みそ60〜65gを溶き入れる。
【4】器に、大根を入れ、その上にあん入りのもちを盛り、あおさ適量を飾る。
■お雑煮トリビア
あんこの入ったもちを使ったお雑煮は珍しい。「昔、高松藩は高級砂糖『和三盆』を特産品としていました。庶民も正月くらい和三盆のような甘い高級品を食べたいと、もちのなかにあんこを入れて隠したのが始まりとか」。
●福岡「甘くない小豆雑煮」
小豆は甘くなく、豆本来の風味が!
■作り方
【1】鍋に水適量と乾燥小豆40gを入れて火にかけ、5分ほど煮立たせてから、さらに弱火にして30分ほど煮てゆで上げ、水気をきる。ちくわは0.5cmほどの厚さの輪切りに、かまぼこは0.5cmほどの厚さに切る。
【2】別の鍋に、するめと昆布のだし汁2カップ、【1】のちくわ、だしをとった後のするめと昆布を入れて火にかけ、10分ほど煮る。薄口しょうゆ大さじ1を入れて味を調える。
【3】【2】のするめと昆布は細切りにする。かつお菜1枚はゆでて水気を絞り、2cmほどに切る。
【4】別の鍋に水適量を入れて火にかけ、温まったら丸もち4個を入れてやわらかくなるまで煮る。
【5】器に【2】を注ぎ、【1】の小豆、【3】、【4】を盛り、【1】のかまぼことかつお菜を飾る。
■お雑煮トリビア
久留米市の北野地域や八女市の一部で食べられているお雑煮。「小豆は邪気を払う縁起物で、鳥取県の一部、新潟県の佐渡島、三重県の神島などでも、甘く炊いた小豆をかけて食べる“ぜんざい風のお雑煮”が一般的です。でも、このように甘くない小豆雑煮は珍しいんです」。
●熊本「納豆雑煮」
もちだけを納豆にからめていただく
■作り方
【1】ごぼう10cmは皮をこそいで輪切りにしてから水にさらし、あくを抜いてからゆでる。
【2】かつお菜1株は、ゆでて水気を絞り、ひと口大に切る。
【3】大根とにんじん各2cmはそれぞれ皮をむき、0.5cmほどの厚さの輪切りにし、ゆでる。
【4】里いも1個は皮をむいて半分に切る。
【5】鍋にするめと昆布のだし汁2カップと、【4】の里いもを入れて火にかけ、やわらかくなるまで煮る。
【6】【5】に甘口しょうゆ大さじ1を入れ、3分ほど煮る。
【7】別の鍋に水適量を入れて火にかけ、温まったら丸もち4個を入れてやわらかくなるまで煮る。
【8】器に【1】〜【3】、【6】、【7】を盛り、別皿に納豆適量を添える。納豆に砂糖大さじ2を加えてもおいしい。
■お雑煮トリビア
「納豆が名産ではない熊本でこの雑煮が生まれたのは、豊臣秀吉に領地を与えられて熊本にやって来た尾張出身の加藤清正が、納豆を持ち込んだからといわれています」
※材料は特記以外、すべて2人分です。
※参考文献/粕谷浩子著『お雑煮マニアックス』(プレジデント社)
取材・文/土田由佳 レシピ作成・写真/粕谷浩子
※女性セブン2022年1月6・13日号