25周年のスタートということもあり、今年の元日コンサートはキンキにとって特別だった。そのステージ上、2人はある人物とのエピソードを語っている。
「剛くんが、これから吉田拓郎さん(75才)の曲のアレンジを担当すると話していました。歌詞はもう知っているみたいで、コロナを経験したいまの時代、ちょっと泣けてくる。拓郎さん節の歌詞を目にして、家で泣きそうになったと話していました」(会場にいた40代女性ファン)
キンキと吉田は1996年に始まった音楽バラエティー『LOVE LOVE あいしてる』(フジテレビ系)での共演以降、現在に至るまで仲を深めてきた。
剛がMCで口にした“アレンジ”とは、吉田がラストアルバムと位置付けて制作中のアルバム(今秋発売予定)に収録される曲のことだ。
吉田は12月17日に放送された自身のラジオ番組『吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)で、キンキの協力を明かしていた。
「剛さんには1曲のアレンジ、光一さんにはアルバムの題字を依頼したと話していました。光一さんは“字が下手なので、歌を歌ったりはどうですか”と逆提案したそうですが、拓郎さんに説得されて、最後には“拓郎さんが言うんだったら、何でも書きますよ”と、OKをもらったそうです。その流れで、光一さんと剛さんとのエピソードを次々に披露したんです」(ラジオ局関係者)
光一と剛の“違い”とは
吉田は、キンキの2人を親友と呼ぶ。その吉田だからこそ知り得る2人の素顔、30才以上も年の離れた親友との関係性は意外なものだった。
『LOVE LOVE あいしてる』スタート時、キンキはアイドルとしてのデビュー前の10代で、吉田は50才を迎えていた。ベテランの吉田はキンキとの共演を面白く思っていなかったが、その彼の心を動かしたのは、ほかならぬキンキだった。
《よく番組の収録が終わると、スタジオのそばにある焼き肉屋に行っていたんです。ぼくは出会った頃は50才で、あまり食べずにお酒を飲むのが楽しいという人間だった。そんなぼくを見て、光一と剛が『拓郎さん、あきませんがな』『食べなはれ!』と言って、ぼくの皿に肉を乗っけてくれる。本当にビックリした》(『吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD』より。以下同)
当時の吉田にはある種の若者アレルギーがあり、「なんじゃいいまの若いヤツは」と若者を見ると蹴りを入れたくなるほどだったという。しかし、光一と剛の飾らない態度に、心を揺さぶられた。
《(彼らの)素直な心根というか、自然な優しさ、素直な行動に激しく胸を打たれて、(中略)この2人の若者の成長をぼくは大きな目線で大きな心で見守っていくべきなんだと感じたんですよ》