芸能

大原麗子さん 大女優の晩年を支えたのは近所の店のとんカツ定食

大女優・大原麗子さんが愛したとんカツ定食

大女優・大原麗子さんが愛したとんカツ定食

 多くの映画やドラマに出演し、たくさんの人から愛された大原麗子さん(享年62)。「少し愛して、長〜く愛して」と囁くサントリーレッドのCMはあまりにも有名だ。持病のギラン・バレー症候群を抱えながら仕事への復帰を目指していたが、2009年8月6日に自宅で亡くなっているのを実弟と警察により発見された。そんな大原さんが最後に食べていたものとは。(※文中は敬称略)

贔屓のとんカツ店には毎日のように通った

 類い稀な美貌とハスキーな甘い声で世の人々を魅了した大原は、普段から体形維持に気を配り、小分けにした食事を少量食べるのが習慣だった。だが、大好きな肉料理だけは例外だったと、実弟の大原政光さんは振り返る。

「中でも、とんカツは一人前をペロリと平らげていました。姉さんの自宅の近所にあるとんカツ店『かつ久』を大層気に入っていて、同じ日に昼夜2回も食べに行ったこともあるそうですよ」

 亡くなる前年の11月に右手首を骨折してからは、動くのもつらい様子だったが、『かつ久』の綱島麻江さんによれば、2009年5月末までは毎日のように店へ通っていたという。

「『お肉が大好きなの』と言ってお元気そうに召し上がっていました。その後急にお見かけしなくなり、心配していたんです」

 その2か月後、大原は自宅でひっそりと息を引き取る。冷蔵庫には、半分に切った大きなすいかだけが残されていた。その真ん中には、スプーンですくって食べた跡があったという。

「暑さで食欲もなく、すいかなら食べられたのでしょう。どうにか口にしたのかと思うと、とても感慨深いものがありました」(政光さん)

かつ久のとんカツ定食

かつ久のとんカツ定食

「芸能界の兄と姉」から贈られた大切な品々

 何度も共演した高倉健にプレゼントされた万年筆には、「No.1」の字が刻印されている。「健さんの一番に選ばれた」と喜んでいたという。

 美空ひばりからは、ディレクターズチェアをもらった。「一度も使わず大切に飾っていました。私がうっかり座ろうとして、ひどく怒られたことも」(政光さん)。

 政光さんの自宅には数え切れないほどの大原の写真が大切に保管されており、どれもため息がでるほど美しい。

「世間が抱く奥ゆかしいイメージとは違って、普段の姉さんはチャキチャキした明るい人でした」と政光さんは思いを馳せる。

撮影/玉井幹郎 取材・文/スペースリーブ(湯山幸奈、加藤瞳)

※女性セブン2022年1月20・27日号

来店した際には、いつも決まって入口付近にある窓際の席に座っていた

来店した際には、いつも決まって入り口付近にある窓際の席に座っていた

高倉健にプレゼントされた万年筆

何度も共演した高倉健にプレゼントされた万年筆には、「No.1」の字が刻印されている

美空ひばりからもらったディレクターズチェア

美空ひばりからもらったディレクターズチェア

政光さん

大原麗子さんの実弟の政光さん

大原さんの写真を手に

大原さんの写真を手に。写真は仕事の合間に撮影されたもの

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン