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脊柱管狭窄症向きの食生活 肥満を避けてカルシウムとビタミンD摂取を

脊柱管狭窄症を防ぐには食生活の見直しも(イメージ)

脊柱管狭窄症を防ぐには食生活の見直しも(イメージ)

 シニア世代に急増中の脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなった結果、内部の神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気だ。70代以上では10人に1人がかかるともいわれ、放置していると寝たきり生活をも引き起こす。

肥満を避け、骨や筋肉に必要な栄養摂取を

 脊柱管狭窄症と肥満は、非常に相性が悪い。腹に脂肪がつくと腹を突き出すような姿勢になり、脊柱管へさらに負荷がかかってしまう。脊柱管狭窄症の人は痛みやしびれに気を取られて転びやすいので、運動不足で骨密度や筋肉が減少すると、転倒が思わぬ大怪我をもたらすことも。骨密度と筋肉を保ちつつ肥満を解消するべく、できるかぎりの運動に加え、食事内容の見直しを図ってみてはいかがだろう。

 多品目の食材を組み合わせたバランスのよいメニューを基本としつつ、骨や筋肉を作るために必要な栄養素や、老化を防ぐと言われている食材などは積極的に摂取してみたい。

 脊柱管を守る骨を形成する成分といえば、カルシウム。ただし、カルシウムを多く含む食材を単体で摂取しても吸収率は低く、ビタミンDと一緒に摂取すると途端に吸収率が上がるという特性を持つ。カルシウムを多く含む食材とビタミンDを多く含む食材は、同時に食卓へ並べよう。ちなみに、ビタミンDは日光を浴びると体内で生成される成分でもある。天気のいい日は、長めの時間をウォーキングに費やしてみよう。

 椎間板や靱帯は、その弾力性で体への衝撃を逃してくれる。やわらかい軟骨成分を保つには、繊維状のたんぱく質であるコラーゲンなどが必要。

 ほかにも、脊柱管狭窄症にまつわる各部位を考えると、筋肉を丈夫にするタンパク質、赤血球の生成を手助けして神経の修復にひと肌脱いでくれるビタミン、椎間板の主成分であるコラーゲンの合成に役立つビタミンなどの栄養素も摂取しておくとひと安心だ。

摂りたい栄養素を多く含む食材例

【骨の形成に必要】
カルシウム…牛乳、チーズ、ヨーグルト、大豆、いわし、わかめ
ビタミンD…いわし、いくら、しいたけ、まいたけ、きくらげ、卵

【椎間板や靱帯の構成成分】
コラーゲン…牛筋、豚足、手羽先、鶏軟骨、うなぎ、くらげ
コンドロイチン…山芋、里芋、おくら、なめこ、うなぎ、干し海老
エラスチン…牛筋、鰹、鮭

【筋肉の材料】
アミノ酸スコアの高い良質タンパク質…大豆、卵、牛乳、牛肉、豚肉、鶏肉

【神経を修復】
ビタミンB12…あさり、しじみ、いくら、牡蠣、牛レバー、鶏レバー
葉酸…牛レバー、鶏レバー、チーズ、モロヘイヤ、ほうれん草、パセリ
コラーゲン合成を促す…ビタミンC、アセロラ、キウイ、ゆず、レモン、すだち、ドライマンゴー

取材・文/山本真紀

※週刊ポスト2022年1月14・21日号

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