国内

職場にかかってくる不躾な営業電話 今後は携帯が狙われる可能性も

忙しい職場に不動産購入の勧誘電話がかかってくる(イメージ、AFP=時事)

忙しい職場に不動産購入の勧誘電話がかかってくる(イメージ、AFP=時事)

 NTTが電電公社時代から各契約世帯に配布してきたハローページ(電話帳)だが、営業電話などがかかってくるなどの影響を避けたい契約者が掲載を続々と掲載を止めたため、2023年2月までに発行を終える予定だ。だが、営業電話はなくならないし、自宅どころか忙しい職場にもかかってくる。ライターの森鷹久氏が、なぜ職場への営業電話がなくならないのか、営業を断った事で見舞われたトラブルについてレポートする。

 * * *
 医療関係者と思われるユーザーが「マンション販売業者の電話営業をどうにかしてほしい」とSNS上で訴え、話題になっている。

 勤務中、どこから調べたのか部署や自分の席にある直通電話が鳴り、対応をしてみるとそう言った業者だった、という経験をしている方も少なくないだろう。電話営業自体は、正当な営業活動の範疇ではある。しかし、電話を切ろうとしてもしつこく食い下がったり、自身が営業アポインターであることを隠して電話を入れる場合もあり、うっとうしく感じる場合が大半だ。

 命を扱う現場である医療機関にも、そういった電話がかかってくるとなると、それは患者や急病人の命を脅かすことに他ならない。それゆえ、関係者から不躾な営業電話に怒りの声や訴えが相次ぐのも無理はない。

「社外に非公開の番号に営業の電話がかかってくる。だから、どこでこの番号を知ったのかと問い詰めても『それでは』といって切られ逃げられるんです」

 こう話すのは、都内の大手建設会社勤務・坂本彩香さん(仮名・20代)。坂本さん自身は新卒で働き始めたところなので、不動産を購入できるほどの給与も貯蓄もない。普通なら営業のターゲットにはならないだろうが、勤務先が「大手」ということもあり、この類の電話が多いのだという。

「電話のほとんどは『投資用マンション』の営業ですね。都内のワンルームマンションを購入し、賃貸に回して利益をあげようというものです。一応建設会社なので、それがどんなマンションで施工会社はどこか、建設にはどの社が関わっているかで、なんとなくどんな物件か、上司は理解しているようで『こんな売り方をする物件だからお察しだ』と笑っています」(坂本さん)

 そして、間も無く「なぜ番号を知っているのか」という疑問も解消された。

「下の階の同期と偶然立ち話をしていたら、前日に同じ営業電話がかかってきたというんです。業者はどうも、会社の代表番号を一桁ずつずらしながらかけていたみたいで、だからフロア毎に順々に電話を受けていました。その翌日は私たちから2階上のフロアにかかってきたとか。すぐに社内で注意喚起メールが回されました」(坂本さん)

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン