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感染力高いオミクロン株 「感染者が重症者の面倒見る」可能性も

(共同通信社)

大阪府では自宅療養者が1万人を超えた(共同通信社)

「年末年始が仕事だったので1月の3連休を利用して、施設で過ごしている父に会いに沖縄に帰省しました。2年ぶりに会えてよかったんですが、帰京する当日に保健所から、“飛行機の同乗者が感染した。あなたは濃厚接触者です”という連絡があり、PCR検査を受けると陽性でした。幸いひとりで帰省したので誰もいない実家で療養していますが、妻や子供を連れて来ていたら全員感染していたかもしれません」

 都内在住の50代男性はそうため息をつく。イギリスの公衆衛生庁によれば、新型コロナウイルスのオミクロン株の家庭内感染のリスクは、デルタ株の3.2倍。圧倒的な感染力を持つオミクロン株で感染者が激増するとともに「家族全滅感染」の危機は、あなたのすぐ隣に迫っている。

 すでに都内で判明している感染経路の約半数は「家庭内」で、自宅療養者が家族に感染させないために車中泊をするケースも報じられた。日本各地で子供、親、祖父母といった家族全員が感染することはまったく珍しくない。新型コロナ患者を多く診ている長尾クリニック院長の長尾和宏さんが指摘する。

「感染を恐れて飲み会に出ないことはもちろん、人とも会わなかったのに感染したというケースが増えています。お母さんが熱を出して検査したら陽性で、実は2~3日前から子供が風邪っぽかったという声も多く、家庭内感染の広がりを感じます」

 都内在住の小6男児は1月の3連休に地元のスポーツクラブが企画したスキー教室に参加。感染対策はしていたものの帰宅2日後に37.6℃の発熱と喉の痛みが生じ、PCR検査でオミクロン株の感染がわかり、小児向けのコロナ療養施設に入院した。

 濃厚接触者に認定された両親と中2の長女、小4の次男も検査で陽性が判明した。両親と長女は無症状で次男は軽い発熱があった。

 両親と長女はワクチンを2回接種済みで長男と次男は未接種だった。入院した男児は倦怠感などの症状はあるものの軽く、食欲は旺盛だという。

 今後、この家族のようなことが多発すると考えられる。

感染者が重症者の面倒を見る

 感染後の患者の処遇はこれまで大きな問題となってきた。家族がいる者がオミクロン株に感染するとどうなるのか。まず感染者が1人の場合、重症化リスクなどに応じて入院か、ビジネスホテルなどへの隔離が基本だ。1月に感染した都内在住の50代男性が語る。

「38℃の熱が出てクリニックを受診して、検査したら陽性でした。肥満気味で血圧が高く、ワクチン未接種だったので有無を言わさず即入院。3日目に微熱になりましたが、PCR検査は陰性にならなかった。その後、体力は完全に回復したものの陰性の結果がなかなか出ず、退院許可が出るまで2週間ほど病院にいました。病室にWi–Fiがないから仕事もできず、ただ寝ているだけの退屈な毎日でした」

 家族全員が感染したらどうなるか。

「基本的には自宅療養になります」と話すのは長尾さん。

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