芸能

活動休止の氷川きよし 夢だった「両親の父であり、母になること」

氷川きよしに変化が起きている(写真は昨年)

自分のしたいようにさせてくれた両親を支えたかったという(写真は昨年末)

 2019年にデビュー20周年を迎え、昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』でも存在感を発揮した氷川きよし(44才)の突然の発表にファンは驚いている。氷川は1月21日、所属事務所及びレコード会社の公式ホームページで、今年いっぱいをもって歌手活動を休止することを発表。理由は《自分を見つめなおし、リフレッシュする時間をつくりたいという本人の意向》だが、具体性に欠け、休止期間も明確にされていない。

 ここ数年の氷川の姿は、「自分らしさを表現できている」という充実感で満ちているように見えていた。2019年11月に開設されたインスタグラムで表現される姿を筆頭に、その後のステージやテレビ番組などでの振る舞いを見れば、自ずと知れるだろう。化粧、アイメイク、スカート、網タイツ、ウエディングドレスのような純白ドレス、「あたし」と自分を呼称し、愛称は「きよし」から「きーちゃん」へ──。日々の努力も欠かさない。栄養バランスを考えた食事を自炊し、毎日1時間のウオーキングに励んでいる。

「美容に対する意識は極めて高い。自分で選び抜いた化粧品で行うスキンケアに余念はなく、エステにも通う。肌もしっとりスベスベ。見えない部分までしっかりケアされていて性別を超え追求したストイックな“肉体改造”の賜物です。今後、さらにジェンダーを超えた美しさを求めて変わっていきたいと本人は言っていました」(氷川の知人)

 氷川本人は2019年の雑誌グラビアで、素肌に紫の羽をまとってアンニュイな表情を浮かべる姿を披露したことについて、「『ジェンダーを超えた自分らしさ』を特集してほしいと思っていたので、その夢が叶った」と喜んだ。

 ありたい自分であろうとする氷川を、誰よりも応援する人物がいる。無償の愛情を注ぎ続けてくれる氷川の母親だ。

 氷川は福岡県福岡市で生まれ育った。当時の実家は市営住宅の2Kの部屋。父親はタクシーの運転手で、母親はパート勤め。一人っ子の氷川の幼い頃のごちそうといえば、母親が作るミートソーススパゲティ。玄関を入るとすぐのところにある2畳ほどのキッチンで、母親が調理する様子をじっと見つめごちそうを待ったという。

 家が裕福でないことは、よくわかっていた。感受性が豊かな氷川は、そうした現実を前に、夢を見ることを自ら諦めるような子供だったという。地元の中学校を卒業した氷川は、私立の福岡第一商業高校(現・第一薬科大学付属高校)へ進んだ。デザイナーや芸能関係の仕事に憧れた氷川のため、両親は高額の授業料を黙って工面してくれた。

 この頃の氷川の夢は「両親の父であり、母になること」だったという。早く働き、しっかり稼ぐことで、自分のしたいようにさせてくれた両親を、今度は自分が経済的に支える立場になりたいと思っていたのだ。そう考える氷川には秘めたる武器があった。歌唱力だ。

「幼い頃から歌が抜群にうまく、高校で入った“芸能クラブ”の顧問の先生にすすめられて演歌も歌うようになりました。すると、地元のカラオケ大会では、出れば優勝するような存在になり、賞品としてテレビやビデオデッキ、家具などを次々と獲得していました。ついたあだ名は“大会荒らし”。この頃からでしょう、きよしくんが本格的に演歌で勝負しようと考えたのは」(氷川の地元の知人)

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