■2009年1月26日 鹿児島県・屋久島 撮影/大沢成二
「最大の屋久杉である縄文杉は直径約5.2メートルあり、直径4.5メートルの大相撲の土俵より大きい。しかし、そのサイズ感は写真に撮ってしまうとなかなか伝わりません。比較対象として、その足許にヤクシカが現われる瞬間を待って撮影することを思いつき、現地に20日間通い、雪の中でその瞬間を待ち続けました。植生保護のため2009年2月から縄文杉の周囲にはシカ避け柵が張り巡らされ、縄文杉とヤクシカを一緒に撮影することは不可能になりました。このカットは柵の工事が始まるわずか5日前の16時頃に撮影に成功しました。もう二度と撮ることはできません」
【プロフィール】
大沢成二/1967年、長野県生まれ。カメラマン、登山ガイド。2003年より屋久島の撮影を開始し、2007年屋久島に移住。現地から各種媒体に写真や記事を提供している。
※週刊ポスト2022年2月4日号