国内

「ワクチン3回目」57才女性と70才男性の「接種直後の死亡」事例

ワクチン3回目接種はなかなか進まない(時事通信フォト)

ワクチン3回目接種はなかなか進まない(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染防止や重症化予防の切り札とされるワクチン。これまでの日本人の接種率の高さは世界有数で、総人口の8割が2回目の接種を終えている。

 ただ、3回目はこれまでと打って変わって進んでいない。1月末時点の3回目接種率はたったの3.2%にとどまる。

 その原因は当初、「2回目接種から8か月以上の間隔をあける」とした政府方針にあると、指摘されてきた。感染力の強いオミクロンが出現したのにその期間を短縮する決断が遅かったというのだ。本当にそうだろうか。

「3回目の接種を躊躇する人のなかには、“2回目のようなきつい副反応はもうイヤだ”“重症化しにくいオミクロンのために、副反応の心配がある接種をする必要があるのか”と疑問を持つ人も多いとみられます」(医療経済ジャーナリストの室井一辰さん)

 実際、1、2回目接種でファイザー製に比べて強い副反応が出たモデルナ製は、3回目では接種を避けられている。

 3回目は2回目までと違うメーカーのワクチンを打つ「交差接種」が認められた。しかし、例えば千葉県富里市はファイザーの3回目予約は9割だが、モデルナは1割だったという“人気”のなさ。岸田首相が「これまで2回はファイザー社だったが、3回目はモデルナ社を打ちたい」と接種率向上をアピールしているほどである。

 その3回目接種の副反応への心配は、現実に最悪の事態を引き起こした可能性がある。接種直後に亡くなった医療従事者が出たのだ。

 その事実が明らかになったのは、1月21日の厚生労働省の専門家部会だった。ワクチン接種と副反応との関連性を議論する部会で、ワクチン接種後の死亡者の最新事例が報告されたのだ。

 そのうち、3回目の接種後に亡くなったのは2例だった。

 1人目は、昨年12月16日にファイザー製を接種して3日後に亡くなった57才の女性だ。予診票での留意点はなかった。

「警察案件なので、医療機関が家族から詳細を聞くのは難しかった」

 その事例を説明する際、厚労省の担当者はそう説明した。つまり、突然死により事件性などが疑われて警察が関与する案件となり、遺族に詳しい話が聞けず、死亡時の詳細が不明との見解だ。

「亡くなられたのは、東京・日野市の市立病院に勤めていた看護師のAさんです」と語るのは、日野市市議の池田としえさんだ。

「もともと12月17日から、市民の陳情により、ワクチン接種後の健康状態の調査を行っていました。そのなかで昨年末、Aさんが亡くなられたことが判明しました。偶然ですが、Aさんは私の家族が入院した際にお世話になった看護師さんでした。とても明るくて責任感が強く、優しいかただったことを覚えていました。

 ご主人によると、ご自宅で亡くなられたそうです。ご主人が仕事から帰ってきたときに倒れていたそうです。既往歴はなく、それまでとても元気だったそうです。ご主人も信じられないご様子で、沈痛な面持ちでした。

 市民の不安を少しでも解消するために、ワクチン接種後に亡くなった事例について、行政はできる限りの情報公開をすべきです」

 Aさんの夫にも話を聞いた。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン