アメリカでの研究によると出会い系サイトのプロフィールから見るロマンス詐欺師の居住国は1位ナイジェリア、2位マレーシア、3位南アメリカ(イメージ、EPA=時事)
共通しているのは、恋愛感情などを利用した詐欺行為という点だ。前述のように寂しく人恋しく、人との交流に飢えている人が増えており、そのような人たちは優しくされると心を許してしまいがちだ。通常時であれば、大事なことは実際に会ってから決めようと落ち着くことができるが、コロナ禍なので「会いたいけれど会えない」「入国制限で入国できない」などと言われれば、信用してしまうことも多い。
「好きだ」「あなたは特別だ」という自分を評価する言葉には、どんな人でも心を許してしまいがちだ。単純接触効果により、何度もやり取りしているうちに相手への好意も高まってしまい、自分が見たいものしか見ないようになる。写真や動画などを見せられることで、完全に信じ切ってしまうことは多いのだ。
そもそもマッチングアプリなどは恋愛や結婚を目的としているため、他のサービスより相手と連絡をとったり、会うまでの敷居も低くなる。メッセージのやり取りをしたり通話をしたり会ったりができるため、詐欺などに持ち込みやすい条件が整っているというわけだ。
レディースコミックの女王・井出智香恵さん(73)は、ハリウッド俳優を名乗る男とTwitterをきっかけにしやり取りを始め、7500万円ものお金を騙し取られていたことをテレビ番組で告白している。井出さんは男から結婚をちらつかされており、国際ロマンス詐欺にほかならない。被害はこのように広い年代に及んでいる。
マッチングアプリで安全に出会うには
とはいえ、このご時世では、マッチングアプリをまったく使わずに出会いを求めるのも不自然だろう。となると、どのようにすれば安全に出会えるのだろうか。
マッチングアプリをよく利用するという20代女性は、「すぐにLINEを交換しようとか、会おうという人は避ける。事前にSNSのアカウントを教えてもらって嘘がないか確認したり、ビデオ通話をしたりするのは必須。会って信頼できそうとわかるまでは個人情報は教えないようにしている」という。
詐欺目的で接触してくる場合は、プロフィール写真が偽物のことが多い。モデルのように整った美男美女だったりすると、怪しい可能性が高くなる。また、他人の写真を流用していたり、フリー素材の写真を利用していることも。プロフィール写真を画像検索して、同じ画像が見つかったら怪しいと思ったほうがいいだろう。