スポーツ

フィギュア坂本花織 警察官の父は退官後「スポーツメンタルコーチ」に転身

日本女子フィギュアで、12年ぶりのメダル獲得となった(写真/アフロ)

日本女子フィギュアで、12年ぶりのメダル獲得となった(写真/アフロ)

 日本代表が躍動し、冬季五輪として歴代最多のメダルを獲得した北京五輪が閉幕した。フィギュアスケートの女子シングルでは、ロシア・オリンピック委員会の表彰台独占という前評判に割って入り、坂本花織(21才)が銅メダルを獲得した。坂本は、3姉妹の末っ子として、兵庫県神戸市に生まれた。フィギュアスケートに出合ったのは4才の頃だ。

「近隣にスケートリンクがなく、わざわざ大阪まで通っていました。送迎は専業主婦だったお母さんの役目。早朝や深夜になることもあったようで、大変そうでしたね。お母さんはとても熱心でしたが、スケーターとしてどんどん成長していく花織ちゃんを、いつもそっと見守っているような、控え目なかたでした」(坂本家の知人)

 フィギュアスケートは何かとお金がかかる。年の離れた姉2人も社会人になって以降は資金援助をしていたというが、いちばんの支えは父・修一さんだった。修一さんは兵庫県警の元警察官で、地元警察署の副署長まで務めた人物だ。

「娘さんがフィギュア選手というのは警察署内でも有名な話でした。周囲に娘さんのことを聞かれると、“お金がかかるから大変よ〜”と冗談半分に笑っていました。クシャッと笑ったときの表情なんて父子でそっくりですよ」(元同僚)

笑顔がそっくり?(修一さんのフェイスブックより)

笑顔がそっくり?(修一さんのフェイスブックより)

 勤務態度は真面目で誠実。当時の同僚は、修一さんのこんな言葉を耳にしたことがある。

「自分たちは毎日警察署に出勤しているけれど、一般の人が警察署に来ることはそうそうない。トラブルに巻き込まれることなんて、一生に1回あるかないか。その1回でイメージが左右されるんだから、警察官は規律を守って、人の模範にならないといけない」

 どんなときでも笑顔で前向きな愛されキャラ。初対面の相手に対しても配慮を忘れない坂本の姿勢の理由には、父からの「一期一会」の教えがあるのかもしれない。そんな修一さんは、いまから2年ほど前に60才で退官した後、スポーツメンタルコーチへ華麗なる転身をしていた。

「あらゆる状況を想定して、突然の有事に対応しなければならない警察官には、メンタルの強さも求められる。転じて、『メンタルの保ち方』といったテーマの講演に元警察官が呼ばれることも多いんですよ。自分の経験を生かして、娘さんの力になりたいと思ったんじゃないですかね」(前出・元同僚)

 昨年5月、修一さんは自身のSNSに愛娘について次のように綴っていた。

《彼女のハピネスジャーニーを見届けてください》

 家族一丸で獲った銅メダルの価値は計り知れない。

※女性セブン2022年3月10日号

関連記事

トピックス

広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト