国内

【対談】尾木直樹×茂木健一郎 東大生を特別扱いするクイズ番組への違和感

東大生を特別扱いするメディアに違和感も(左から茂木健一郎氏、尾木直樹氏)

東大生を特別扱いするメディアに違和感を覚えるという(左から茂木健一郎氏、尾木直樹氏)

 東大前刺傷事件や大学入学共通テストでのカンニングなど、受験をめぐるトラブルが相次いでいる。教育現場ではいったい何が起きているのか。教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談した。【全4回の第2回。第1回を読む】

 * * *
茂木:私のもとには、中学受験を控えた子のお母さんがよく相談に来るんですが、「うちの子は東大に入って、クイズ番組に出るような人になりたいって言うんです」と。

尾木:ええーっ? そんな子がいるのー?

茂木:いるんです。まだテレビには影響力がある。

尾木:それは悲しいわ。

茂木:受験教育が行きすぎた結果として、「東大信仰」が強くなりすぎているように思います。それにはメディアが煽っている側面が大きい。

尾木:東大で「学びたいことがある」と志して、勉強するのならいいんだけど……公の電波を利用するメディアには社会的な責任があります。

茂木:私は昔、『高校生クイズ』の司会をやっていたので、その頃から“東大王”伊沢(拓司)君を知っていますが、クイズをビジネスにつなげていくという、彼の戦略や生き方は素晴らしいと思います。ただ、彼自身も東大とクイズが結び付けられていることは、あまりいいこととは思っていないと聞いています。クイズはあくまで競技であって、本来東大だろうが何だろうが、関係ない。

尾木:東大を特別扱いしているのが問題です。

茂木:『高校生クイズ』にはクイズのガチ勢が集まってきて、進学校だろうが無名の高校だろうが関係なく、ガチンコでやることに価値があった。東大生が特別扱いされることは、ガチ勢にとって迷惑でもある。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト