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西郷輝彦さん、前立腺がん闘病「最後の希望」で挑戦した最先端治療PSMA

西郷輝彦さんが挑戦した最先端治療PSMAとは?(時事通信フォト)

西郷輝彦さんが挑戦した最先端治療PSMAとは?(時事通信フォト)

 昭和の大スター・西郷輝彦が2月20日、前立腺がんのため都内の病院で亡くなった(享年75)。2021年4月からはオーストラリアに渡り最先端のがん治療を受け、「がんが消えた」と喜んだ矢先の死だった。旧友と専門医の証言で、西郷の闘病を振り返る。【前後編の前編】

5年内生存率はおよそ30~35%

 西郷の訃報は、身近な人にとっても、突然のことだったという。

「10月上旬に入院してから亡くなるまでずっと病院にいました。つい最近会った時は、肌つやが良く、元気になる日は必ずくると思っていたのですが……」(西郷の知人)

 西郷は2011年に前立腺がんと診断され、全摘出手術を受けたが、2017年に再発し、骨転移した。

 ホルモン治療や放射線治療、抗がん剤治療などの治療を10回以上にわたって受けたものの完治には至らず、2021年5月に「ステージ4」の去勢抵抗性前立腺がんであることを公表した。

 くぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師(泌尿器科)が語る。

「去勢抵抗性前立腺がんとは、ホルモン療法を続けているにもかかわらず、がんが進行してしまった状態を言います。前立腺がんは基本的に手術すれば再発性は低いですが、悪性度が高い場合は例外です。西郷さんの場合、2017年に再発しているので、ホルモン治療が効かなくなって、ステージ4まで進行したと考えられる。一般的にステージ4における5年内生存率はおよそ30~35%と言われているので、西郷さんは長く生きられたケースです」

 闘病中の西郷は、自らがんの治療法を猛勉強していたという。

 その結果、最後の希望を見出したのが、オーストラリアでの最先端治療だった。出国直後の2021年5月には、治療の様子を公開する公式YouTubeチャンネルを開設し、こう明かしている。

「願いはただひとつ、なんとかもう少しだけ好きな仕事をさせてほしい。コロナ感染が拡大し自粛生活が長引くなか、これまで落ち着いていたPSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)というがんの数値が急激に上がってしまった。このままコロナ収束まで待っていても大丈夫だろうか、いや行動するべきだ」

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