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1日に2度、半グレ集団「怒羅権」メンバーに拉致された男性が語る“周到な犯行手口”

歌舞伎町

半グレ集団「怒羅権」メンバーに突然拉致された男性が語る

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、1980年代後半に結成され、今も裏社会で強い影響力を持つ半グレ集団「怒羅権(ドラゴン)」のメンバーに拉致されたことがあるという男性がその手口について語る。

 * * *
 1日に2度、半グレ集団に拉致された男性がいる。今から20年ほど前、都内近郊のある街でのことだ。

 その日の昼間、男性Aは仕事から一旦自宅に戻り、駐車場に車を止めた。車を降りて、マンションの入口に向かおうと振り返ったその瞬間、いきなり3人組の男に襲われた。「あっという間の出来事で、抵抗する暇もなかった」と話すAは、若い頃、やんちゃをしていて腕に自信はあった。だが、3人がかりで押さえ込まれては手も足も出なかった。抱えられるように車の中に引きずりこまれたのだ。

 Aをさらったのは、中国残留孤児の2世、3世を中心に結成された半グレ集団「怒羅権」のメンバーたちだった。Aが当時の状況を振り返る。

「車に押し込まれて、ラップで手足をぐるぐる巻きに縛られ、目隠しされた後、頭から袋を被せられた。自分たちの顔が分からないようにしたんだろうが、襲われた時に一瞬、顔は見た。知らないやつだった。移動している間中、ずっと車内でバチバチ殴られた」(A・以下同)

 男らはAを殴りながら、「金はどこにある」「どこに持っている」と、金銭目的の強盗に見せかけるように暴行した。ちらっと見えた顔の印象と発音から中国人だと確信したという。彼は殴られながらも「金はない」と言い続けた。自分をさらった目的が金ではないことが分かっていたからだ。もし本当に強盗なら、キャッシュカードの番号をどんなことをしてでも聞き出し金を引き出そうとするが、男たちはそこまではやらなかった。そして数時間後、Aを箱根の山中に放り出し、男らは去って行った。東京から箱根までの道中、彼は殴られ続けた。

 金銭目的ではないのなら、なぜAはさらわれたのか。事の発端は、夜の六本木で、若い頃に一緒にやんちゃしていた仲間数人と中国人の不良らとの間で起きたいざこざだった。この不良らが怒羅権のメンバーだったのだ。

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