半グレ

ちょっとしたいさかいだったはずが…

喧嘩の当人ではない関係者を狙う

 半グレといえば、2019年に吉本興業の芸人らが振込め詐欺グループの忘年会に出席した「闇営業」問題や、特殊詐欺のイメージが強い。だが当時、六本木界隈では関東連合や怒羅権といった半グレ集団があちこちで事件を起こしていた。

 2010年に歌舞伎役者の市川海老蔵さんが西麻布で関東連合OBに殴られて重傷を負い、2011年には六本木のキャバクラで怒羅権OBらに暴力団幹部らが襲撃され、2012年には関東連合のメンバーが六本木のクラブを襲撃し客を金属バットで殺されるという事件が起きている。

「ちょっとしたいさかいだったはずが、相手が悪かった」とAは言う。酒が入っていれば尚更のこと、一度いざこざが起きると簡単に収まるわけもなく、そのまま喧嘩に発展。警察沙汰になる前に、どちらも引かないまま双方その場を離れたという。

 だが、喧嘩はそれで終わらなかった。その後、Aを含めた数人の仲間が仲裁に入ろうとしたが、交渉はすべて決裂。「中国人の要求は一方的だった」とAは話す。

「交渉が決裂すると、中国人らは喧嘩の当人同士で争うのではなく、こちら側の関係者を狙うというゲリラ戦を展開し始めた。友人数人が、続けざまに狙われたんだ。あの頃の半グレは何をやらかすか分からなかった。自分たちがやられないよう、執念深いほど徹底的にこっちを潰しにきた」

 最終的にターゲットにされたのは、仲間内でリーダー的存在だったAだ。周囲には気を付けていたが、1人でいるところを強盗にみせかけてさらわれ、暴行を受けて箱根の山中で解放された。だが、事件はまだ終わりではなかった。やっとの思いで箱根から東京に戻ったAを待っていたのは、数十人の中国人だ。自宅近くの路上でAは再び拉致された。1度目と2度目ではメンツが違っていたという。

「最初に俺を誘拐し暴行した中国人はそこにいなかった。だが、2つの拉致はつながっていた。俺は明らかに弱った状態で、1人でいるところを待ち伏せされたんだ」

 路上で数人から殴る蹴るの暴行を受けた後、Aは再び車の中に連れ込まれた。手足を縛られ、袋を頭から被せられ、車内でも暴行を受けた。怒羅権のアジトのひとつに連れて行かれ、車から引きずり出されると、またボコボコに袋叩きにされた。

「仲間の情報をよこせ」「あいつは今、どこにいる」。鉄パイプで殴るという拷問を加えながら、中国人らはAに仲間の情報を売るよう迫った。アジトに集まった怒羅権のメンバーは、この時50人近くにのぼっていたという。

「あれだけの人数に囲まれたら逃げ出すのは無理。やつらに代わる代わる殴られ続けた」(A・以下同)

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