最大の問題は、主題歌選定において“巨額の謝礼”が必要だと囁かれていることだ。
渦中のA氏を直撃すると「ぼくが主題歌を決めているなんてウソですよ」と反論しつつ、60分にわたって内部事情を赤裸々に暴露した。
「朝ドラの主題歌は、各レコード会社の担当者がアーティストをNHKにエントリーすることから選定が始まる。『カムカム』のときは、NHKの部長さんから『(AIは)どうだ?』と言われたので、ぼくが間に入って進めました。
ぼくを通した方が強い場合は、ぼくが動きます。ドラマのプロデューサーは(音楽業界の)背景がわからないから、自分では決められないじゃないですか。だから、ぼくなりにアーティストの評価をさせていただくんです」
「NHK公認ドラマ音楽プロデューサー」と記された名刺についてはこう語った。
「レコード会社がNHKの言うことを聞かないから、内部調査をするために木田さんに何か黙らせる方法はないかと言われた時に、17枚だけ限定で配ったんです。
NHKの当時の上の方は承知の上で。『俺がやってるんだから、お前ら嘘つくんじゃないぞ』と。どこに何枚配ったかも全部覚えてます」
最大の問題である、金銭の授受についてもこう認めた。
「NHKからは一銭ももらいませんが、レコード会社からは謝礼をいただきます。額は言えませんが、どのレコード会社も全部一律です。一部の相場では『2000万~3000万円』という話もありますが、それよりも安いですよ。民間と民間のやりとりなので、何の問題もありません」
公共放送で毎朝流れて、国民が耳にする主題歌の選定の裏で、多額のカネが動いた責任は、外部コーディネーターに“実権”を持たせたNHKの杜撰さ、危機管理能力のなさにあるのではないか。
すでにこの問題はNHK中枢の知るところとなり、局内に激震が走っているという。A氏と近い木田氏を直撃すると、困惑気味にこう答えた。
「A氏はただの仕事仲間で、NHKから何かをお願いしたり、名刺を持つことを許可した事実はない。(レコード会社との金銭の授受は)NHKはいっさい関知していなかった」
ユニバーサルは「NHKとのドラマのタイアップ等については、いずれも契約に基づいて法令の範囲内で適切に行っております。内容の詳細については守秘義務の観点から、回答は差し控えさせていただきます」(広報部)という。