アクロバットロックンロールの大会に出るカテリーナ(写真/アフロ)
カテリーナはこの日本滞在中に、兵庫県の大学で学生との交流を図っていた。
「彼女はアクロバットロックンロールというダンス競技に打ち込んでいました。2013年にスイスで開かれた世界選手権で5位に入賞したほどの実力者。当時、来日したときもダンス競技団体の『モスクワ支部代表』という肩書でした。大学の講堂に集まった学生を前に、カテリーナさんは『皆さん、こんにちは。私は覚えている日本語が少ないのでロシア語で話をします』と流ちょうな日本語で挨拶をしていました」(竹中氏)
彼女は、プーチン氏の母校でもあるサンクトペテルブルク大学の東洋学部日本語学科で学ぶほどの日本好き。しかし、彼女が数少ないラブロマンスで世間を沸かせた相手は、韓国人の男性だった。
「2010年に韓国メディアが結婚間近と報道したのです。相手は、在モスクワの韓国大使館職員の息子で、サムスン電子のモスクワ法人に勤務するエリート。インターナショナルスクールのダンスパーティーで出会ってから急接近し、日本の北海道で彼の両親との顔合わせも済ませていること、結婚後は韓国で一緒に暮らすこと、そしてプーチン氏も結婚に賛成していることが報じられました。それに激怒したのが、何を隠そうプーチン氏だったのです」(国際ジャーナリスト)
プーチン氏は、報道が出た直後になんと彼氏本人をクレムリン(大統領府)に呼び付けて「私たち家族と私生活について、一切言及しないように!」と雷を落としたのだ。外遊にも同行させない徹底的なガードだったのに、愛娘が熱愛ゴシップのネタにされたのに相当腹を立てたようだ。当然、この韓国人との縁談は破談となった。その後、カテリーナは、プーチン氏の盟友の息子と結婚し、2017年頃に離婚した。
長女・マリアはオランダ人の夫との間に3人の子供がいるといわれている。マリアも日本を愛好し、2018年4月には家族旅行で訪れ、鬼怒川温泉や歌舞伎町、表参道、渋谷などを巡ったという。マリアは「ヴォロンツォワ」と名乗っていた。
「ある意味、長女の存在はプーチン氏の悩みの種かもしれません。彼女のものとおぼしきSNSが流出した際に、レズビアンの芸術家やゲイのフィットネストレーナーとの交友関係が表沙汰になったのです。プーチン氏は2020年に改めて結婚を『男女の結びつき』と憲法改正するほど、同性愛に対して厳しいスタンスを取っています。海外経験が長いマリアさんの現代的な考えとプーチン氏の保守的な考えとの溝は大きいでしょう」(前出・国際ジャーナリスト)
現在、2人は研究職に就いて、それぞれ医療や人工知能などの研究に勤しんでいるといわれている。
「しかし、これらの事業に莫大な国家予算が付いていることが国民から批判を呼んでいます。今後、プーチン氏の国内支持が揺らげば、2人の研究もストップせざるを得なくなっていくと思われます」(前出・国際ジャーナリスト)
プーチン氏の一挙手一投足を祈るように見つめるのは、平和を願う世界中の誰よりも、いちばん近くにいる2人の愛娘かもしれない。
※女性セブン2022年3月24日号
幼少期の娘を抱くプーチン氏(写真/アフロ)
元妻・リュドミラさんと2人の娘と撮影した家族写真(写真/アフロ)
少年期のプーチン氏(写真/アフロ)