ビジネス

終身保険、定期保険、医療保険…FPが指南する「保険の見直し」のポイント

「保険の見直し」で注目すべきポイントは?(イメージ)

「保険の見直し」で注目すべきポイントは?(イメージ)

 マイホームに次いで「人生で2番目に高い買い物」と言われる生命保険。年輩者向けの商品も続々と登場しているが、人生の備えはどこまで必要なのか。万が一のためとはいえ、「よくわからないから」と加入済みの保険を放置するケースも目立つが、それでは家計を圧迫するばかりだ。

 では、見直すべき保険商品とは何か。ファイナンシャルプランナー(FP)の長尾義弘氏はこう指摘する。

「保険は“めったに起こらない事態”が発生した際に生じる、大きな経済的損失を補填することが目的です。まずはその目的に適っているかを考えていけばいいでしょう」(長尾氏)

 そうした視点に基づいて、主な商品の見直しポイントを見ていこう。

【終身保険】

 いつ死亡しても保険金が受け取れる保障が生涯続くため、保険料は総じて高い。

「“葬儀代として200万円程度は用意しておきたい”と考え終身保険に加入する方が少なくありませんが、受け取る保険金よりも支払う保険料のほうが高くつく場合がほとんどです」とFPの横川由理氏は言う。

「代表的な商品で試算すると、60歳男性が200万円の終身保険に加入して終身払いを選んだ場合、85歳までの保険料は200万円以上になってしまう。途中で解約しても、解約返戻金はそれまでに払い込んだ保険料の半分以下になることがほとんどです。葬儀代を残すのであれば、保険ではなく貯蓄で備えるのがいい」

 金利が高いとして「外貨建て終身保険」を勧められることもあるが、「外貨への両替手数料などが高く、為替変動リスクもあるので、“安心のため”に加入する保険ではない」と横川氏は指摘する。

【定期保険】

 同じ死亡保障でも、「10年間」「70歳まで」というように、一定期間を保障する「定期保険」は当初の保険料は安いものの、更新のたびに保険料が上がるケースがほとんどだ。長尾氏はこう指摘する。

「子育て中など大きな保障が必要となる期間は加入のメリットがありますが、ライフステージ別のリスクに応じて見直しが必要。子供の独立や、配偶者の年金受給開始が解約のタイミングとなります」

 定期保険には被保険者の死後、保険金を遺族年金のように毎月受け取る「収入保障保険」などがある。

「たとえば『70歳まで毎月15万円』の契約なら、被保険者が60歳で死亡したら10年間、65歳なら5年間、遺族が毎月15万円の保険金が受け取れる。受給総額は被保険者が長生きするほど減りますが、死亡時の経済リスク低減に伴い保障額も減る合理的な保険と言えるでしょう。その分、保険料は定期保険の3分の1ほどで済みます」(長尾氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン