国際情報

プーチン大統領、ロシア人格闘家の「大乱闘」後に称賛電話をした過去

プーチン氏の武道の精神は…(写真/AFP=時事)

プーチン氏の武道の精神は…(写真/AFP=時事)

 ウクライナ侵攻をめぐって国際社会から非難を浴びるロシアのプーチン大統領だが、これまで日本国内では、プーチン氏が柔道愛好家であることから「武道の精神を理解し、重んじている」と評されることも多かった。

 しかし、そもそもプーチン氏が柔道を始めたきっかけは、ロシアの情報機関KGBにスカウトされるために格闘技経験が必要で、小柄なプーチン氏には柔道が有利と考え、熱心に打ち込んだというのは有名な話。プーチン氏は柔道と並んでロシアの軍隊格闘術であるサンボも学んでおり、武道としてではなくあくまで実践的な格闘技として柔道をやっていたと考えられる。

 プーチン氏に武道の精神が欠けていることがよく分かるエピソードがある。2018年10月、ロシアの総合格闘家ハビブ・ヌルマゴメドフが当時最強の呼び声高かったコナー・マクレガー(アイルランド)と格闘技イベント「UFC」(ラスベガス)で対戦したときのことだ。試合は終始ヌルマゴメドフが圧倒し、見事勝利を収めた。ところが試合終了後、ヌルマゴメドフはリングを覆うケージ(金網)を飛び出し、マクレガーのチームメイトを急襲、そのまま両陣営が入り乱れる大乱闘に発展したのだ。その後の顛末を、格闘技ライターが解説する。

「以前からヌルマゴメドフ一派とマクレガー一派は対立しており、試合の半年前にはマクレガーのチームメイトによる挑発にキレたヌルマゴメドフがホテル内でその男をビンタし、その翌日にはマクレガー一派がヌルマゴメドフの乗ったバスを襲撃したという因縁があった。ヌルマゴメドフにはその復讐の意味で試合後に急襲したのです。この一件は、あのマイク・タイソンをして『(対戦相手の耳をかじった)俺の試合の時に起こった暴動よりもクレイジーだ』と言わしめ、“世紀の大乱闘”として語り継がれています。

 結局、マクレガーには6か月の出場停止と罰金5万ドル(当時のレートで約550万円)、一方のヌルマゴメドフには9か月の出場停止と50万ドル(同約5500万円)の罰金が科されましたが、ヌルマゴメドフは一応の謝罪はしつつ、プライベートのことも含めマクレガー側の挑発が行き過ぎたものだったとして、自身への批判は『理解できない』と憤慨した様子でした」

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト