この後、両陣営交えての大乱闘になった(写真/Getty Images)
そんなヌルマゴメドフを救ったのが、母国の大統領プーチン氏だったという。
「試合後の会見でヌルマゴメドフは、プーチン氏から直接電話をもらったことを明かしました。『電話をくれて、僕のこと、僕の勝利をとても誇りに思うと言ってくれた。それから、おめでとうと言ってくれた』ということで、乱闘へのお咎めはなかったそうです。その後、ロシアでヌルマゴメドフと面会したプーチン氏は、『君は勝者にふさわしい』と手放しで褒め、乱闘についても『ロシア人は外からの攻撃に対して力強く反応するものだ』『厳しい処分には値しない』と擁護したのです。
プーチン氏は総合格闘技のファンで、対戦に先立ってマクレガーをその年にロシアで開かれたワールドカップの決勝に招待していました。ヌルマゴメドフにとってはマクレガーとの因縁が深まり、対戦が決まる直前の時期で、その記念写真を見たヌルマゴメドフは闘志に火が着いたそうです。つまり、結果としてプーチン氏自身が2人の因縁を煽った側面があり、その上でマクレガーをヌルマゴメドフが破ったことに、プーチン氏は満足したのでしょう」(同前)
プーチン氏の戦いをめぐる考え方がよく分かるエピソードだ。