3回目接種を終えたのは人口の30%(共同通信社)

3回目接種を終えたのは人口の30%(共同通信社)

 コロナワクチンは副反応の強さが指摘されるが、「期限切れワクチン」の副反応はどうか。血液内科医の中村幸嗣さんが言う。

「製薬会社は有効期間の延長に際して実験を行い、効果を確認してから延長申請をするので有効性、安全性とも心配は無用。延長前のワクチンと成分は同じなので、副反応も変わらないはずです」

 製造日が古いワクチンほど効き目が劣る可能性はあるだろうか。

「mRNAワクチンの製造法は変わっておらず、最初から同じです。冷凍保存が厳密になされていれば有効期限を3か月延長しても効果を維持できるので、製造日が古くても体に影響はないとみられます」(岡田さん)

 ファイザー製、モデルナ製とも当初の期限切れで3回目接種をしても、現時点で大きな問題は見当たらないようだ。

 中村さんは、「期限切れワクチン」に不安を覚える人々に理解を示したうえで、国の責任に言及する。

「事前に何の説明もなく、接種直前に“期限切れのワクチンです”と言われたり、接種済証に期限延長のスタンプが押されていれば、患者が不安になるのは当たり前です。

 そうした不安は厚労省やワクチン担当大臣、厚生労働大臣の無策が招いたもので、国が国民に対して必要な事実を伝えていません。河野太郎さんがワクチン担当大臣を続けていれば、期限切れの問題についてもしっかりと広報して人々の不安を打ち消していたはずです」(中村さん)

 それでは肝心の3回目接種はどうすべきか。

「これは有効期限の延長問題とは関係なく、オミクロン株の出現でワクチンの感染予防効果は下がっています。ただし重症化予防効果はあるとみられるので、ハイリスクな高齢者や基礎疾患のある人は3回目を打った方がいい。

 一方で感染しても重症化しない若者や子供は無理して打つ必要はない。すでにオミクロン株は収束に向かっていることもあり、慌てて接種するよりも次の波に備えて新たなワクチンの開発を待つのが賢明でしょう」(中村さん)

「期限切れワクチン」かどうかではなく、いまの自分に必要かどうかで3回目接種を判断することが求められる。

※女性セブン2022年3月31日号

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