国際情報

ゼレンスキー氏 日本の国会演説で「安倍・プーチンの蜜月を批判」か

ドイツの首都ベルリンの連邦議会議事堂のビデオスクリーンで演説するゼレンスキー氏(3月17日)

3月17日、ベルリンにある連邦議会議事堂のビデオスクリーンで演説するゼレンスキー氏(時事通信フォト)

 ロシアから侵攻を受けているウクライナのゼレンスキー大統領が、3月23日に日本の国会でのオンライン演説する方針が固まった。ゼレンスキー氏はこれまでに米国や英国、ドイツ、カナダの議会でもオンラインなどでスピーチを披露し、その圧倒的な発信力でそれぞれの国の議員、そして国民の心を動かしてきている。そして今回、日本の国会に向けた演説でも“爆弾発言”が飛び出すのではないかと、注目の的となっているのだ。

 ゼレンスキー氏はロシアの侵攻を受けて、ウクライナへの支援などを呼びかけるため、各国の議会にオンラインでの演説を打診してきた。3月16日には米連邦議会でスピーチし、その内容が大きな支持を集めるととともに物議を醸した。自民党関係者が言う。

「ウクライナの窮状を訴え、米国からの支援を求める見事な演説でした。途中にマーチン・ルーサー・キング・ジュニアの“I have a dream”を引くくだりを入れるなど、米国人の琴線に触れるような工夫が随所にあった。いきなり侵攻を受けたウクライナの置かれた状況を説明するために、1941年12月7日の日本軍による真珠湾攻撃を引き合いに出し、“パールハーバーを思い出してください”と語りかけました。

 もちろん日本人の目線から見れば、軍事施設を標的にしていた真珠湾攻撃よりも、人類の歴史上で唯一、広島と長崎で民間人に向けて核兵器を使用した当時の米国のほうが、いま核攻撃を示唆しているロシアのプーチン大統領と重なってくるように思えるのは当然。ただし、米国でのスピーチで真珠湾攻撃に言及する効果は抜群で、喝采を集めました」

 ゼレンスキー大統領の言葉の力は卓越している。3月17日にドイツ連邦議会(下院)でビデオ演説した際には、ドイツからの支援に感謝の意を示すと同時に、近年のドイツとロシアの関係を批判することを忘れなかった。

「ドイツとロシアとを結ぶ天然ガスパイプライン『ノルドストリーム2』などについて、結果としてプーチン政権が戦費を稼ぐ手段となったことをきちんと批判しました。そのうえで、かつて東西冷戦の象徴だったベルリンの壁を打ち壊したドイツに向けて、“欧州に再び、自由と不自由を隔てる壁ができている”と訴えかけ、それを打ち破るための支援を要請した。各国に対してアレンジを変える、相当練り込まれた演説だ」(大手紙政治部記者)

 そうなると注目されるのは、日本の国会に向けた演説がどのような内容になるかだ。ベテラン政治ジャーナリストはこう言う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン