芸能

ダウンタウン、ナイナイらを輩出 笑いの構造をマジメに学べる「NSC」に潜入

NSC東京校のネタ見せ授業

NSC東京校のネタ見せ授業

 お笑い界での成功を目指すなら、「芸人に弟子入りし、師匠の背中を見ながら数年かけて芸を盗む」以外にも道がある。お笑いを学べる学校は10校以上存在するが、なかでも吉本興業が運営する学校、通称「NSC(New Star Creation)」は、圧倒的多数の芸人を輩出してきたことで知られる。1年間で次世代のお笑いスターを育成する、そのシステムを垣間見てみよう。

「トリオを結成してから日が浅いでしょ?」

 NSC(吉本総合芸能学院)東京校のネタ見せ授業。生徒が自作のネタを披露し、それを見た講師が指導していく時間だ。じつは数か月前に相方と別れた者同士でトリオを組み直しまして……と生徒が説明すると、NSC講師を務める放送作家の遠藤敬氏は、

「関係性の緩さが、こちらに伝わってきてしまう。3人ならもう劇団のようなものだから、誰かひとりが座長にならないと、ネタにもまとまりが出ないね」

 と、やさしい口調で改善点を指摘していく。ほかの生徒には、声の大きさ、演技力、ネタ展開のさらなるヒネリなど、各人に即した講評を繰り出す。緊張して頭が真っ白になり、セリフが飛んで立ち尽くしてしまった生徒には、

「売れてる芸人でも緊張はする。対策として、セリフが口から勝手に出てくるくらい、とにかく練習するしかない。ライブでギャグがスベるとムチャ緊張するけど(笑)、ウケたら緊張は消えるものだから」とアドバイスした。

 お笑いを学ぶ学校は、一般的に「養成所」とも呼ばれ、多くが芸能事務所の傘下にある。芸能事務所側としては、才能ある芸人の卵をいち早く探し出して所属させたい。芸人を目指す素人は、業界を知り尽くす芸能事務所の力を借りたい。両者を結び付けるお笑いの学校は、双方にチャンスを与えてくれる場なのだ。

 芸人になる方法としては、すでに成功を収めた芸人に弟子入りし、師匠の身の回りの雑用をこなしつつデビューのチャンスを待つのが過去の王道だった。

 ただし、漫才といえば「ボケ役とツッコミ役が元気にテンポよく話を進める」ばかりだったのが、今や「2人ともボケ役で延々ボケまくる」「ゆったりと気弱な口調でシュールなオチを繰り出す」「あまりしゃべらず、沈黙の時間で笑わせる」など、幅広い芸風が世間に受け入れられている。となると、師匠ひとりで新しいお笑いスタイルに理解を示し、自分とはまったく路線の異なる弟子を指導するには限界もあるだろう。

 一方、複数の講師を抱えるお笑いの学校は、笑いの多様性を広げる源だ。とくに大手芸能事務所である吉本興業が運営するNSCは、大阪校の1期生でいきなりダウンタウンを輩出。続いてナインティナイン(9期)、ブラックマヨネーズ(13期)、ゆりやんレトリィバァ(35期)、東京校からはピース(5期)、渡辺直美(12期)、空気階段(17期)などなど、毎年確実に旬な芸人を育て、デビューさせてきた。彼らの後に続くべく、NSC生は今日も至極マジメにお笑いを学んでいるのである。

関連記事

トピックス

西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《西内まりやが芸能界引退へ》「自分らしい人生を見つけていきたい」理由のひとつに「今年になって身内がトラブルを起こしていることが発覚」【自身のインスタで発表】
NEWSポストセブン
出演しているCMの画像や動画が続々と削除されている永野芽郁
《“二の矢”で一気に加速》永野芽郁、止まらない“CM削除ドミノ”  旬の著名人起用で“チャレンジ”続けてきたサントリーからも消えた 永野にとっても大きな痛手に
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《フジテレビ第三者委に反論》中居正広氏の心中に渦巻く“第三者委員会への不信感” 「最初から“悪者扱い”されているように感じていた」との関係者証言も
NEWSポストセブン
真剣交際が報じられた犬飼貴丈と指原莉乃(SNSより)
《仮面ライダー俳優・犬飼貴丈と真剣交際》“芸能界の財テク王”指原莉乃の「欲しいもの全部買ってあげる」恋愛観、私服は6万超え高級Tシャツ
NEWSポストセブン
母の日に家族写真を公開した大谷翔平(写真/共同通信社)
《長女誕生から1か月》大谷翔平夫人・真美子さん、“伝説の家政婦”タサン志麻さんの食事・育児メソッドに傾倒 長女のお披露目は夏のオールスターゲームか 
女性セブン
奥本美穂容疑者(32)の知られざる”アイドル時代”とは──(本人SNSより)
《フリフリのセーラー服姿》覚せい剤で逮捕の美人共犯者・奥本美穂容疑者(32)の知られざる“病み系アイドル時代”【レーサム元会長とホテルで違法薬物所持の疑い】
NEWSポストセブン
ぐんぐん上昇する女優たちのCMギャラ(左から新垣結衣、吉永小百合、松嶋菜々子/時事通信フォト)
【有名女優のCMギャラ一覧表】1億円の大台は80代と50代の2人 10本超出演の永野芽郁は「CM全削除なら5億円近く吹っ飛ぶ」の声も
週刊ポスト
万博初日、愛子さまは爽やかな水色のセットアップで視察された(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《雅子さまとお揃いパンツスーツ》万博視察の愛子さま“親子シミラールック”を取り入れたコーデに「ネックレスのデザインも相似形でした」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
《美女・ホテル・覚せい剤…》元レーサム会長は地元では「ヤンチャ少年」と有名 キャバ嬢・セクシー女優にもアテンダーから声がかかり…お手当「100万円超」証言
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
【独占直撃】元フジテレビアナAさんが中居正広氏側の“反論”に胸中告白「これまで聞いていた内容と違うので困惑しています…」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中、2人は
《憔悴の永野芽郁と夜の日比谷でニアミス》不倫騒動の田中圭が舞台終了後に直行した意外な帰宅先は
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(Instagramより)
〈シ◯ブ中なわけねいだろwww〉レースクイーンにグラビア…レーサム元会長と覚醒剤で逮捕された美女共犯者・奥本美穂容疑者(32)の“輝かしい経歴”と“スピリチュアルなSNS”
NEWSポストセブン