ひざ痛や股関節痛は手術よりも運動やストレッチで治す方が望ましい場合も(GettyImages)
──がんに続き、医師たちが「受けたくない」と声をそろえたのは、ひざや股関節の痛みを解消する手術だ。
A夫:“足腰の弱った高齢者に最適な治療”などと整形外科の分野では近年もてはやされているけれど、自分では絶対に受けたくない。もろくなった股関節やひざ関節を人工関節に入れ替える手術ですが、術後のリハビリが大変で、そこで力尽きて後悔する人も多い。それに、人工関節は年月とともに緩んでいくため、その過程で痛みが再発することも少なくありません。
B美:人工物だからどうしても、耐用年数があるんですよね。60才で手術を受けたとしても、20年経ったら不具合が出てくる可能性は非常に高い。だけど、80才でもう一度手術を受けるのは、その後のリハビリも含めてあまりにも体に負担がかかる。そもそも腰やひざなどの関節は、年を重ねたとしてもストレッチや運動、生活習慣で改善できることが多い。安易に医療に頼るのではなく、自力で治したいと思います。
C男:術後のメンテナンス問題は“あるある”ですね。うちもそうですが、大きな総合病院の場合、頻繁に人事異動がある。手術の何年か後に人工関節やスクリューの具合が悪くなっても、担当した医師がもういない、という話はよく聞きます。次の担当医と執刀医の仲が険悪だったりすると、当時の詳しい病状が引き継げないなど連携がとれなくて最悪です。
それを考えると小規模な病院で受ける方がいいかもしれないですが、そもそも手術の必要がないケースがほとんどだと思います。
B美:必要がないのに執刀されるのは痔も同じ。本来なら、出血がひどくて貧血になっていたり、いぼ痔が飛び出て激痛がある人でない限り、切らずに治すことは可能です。ところがデリケートゾーンの病気で他人に相談しにくく、セカンドオピニオンの心理的なハードルも高いため、『切りましょう』と言われたら断れない患者さんがほとんど。治療がブラックボックス化していて、『切りましょうと言った者勝ち』の風潮を感じます。
※女性セブン2022年4月7・14日号
術後の長期入院を機に体が弱ってしまう高齢者は多い(写真/アフロ)
医師が受けたくない手術リスト