のりつき付箋製品「ポスト・イット(R)」をスリーエム ジャパンが発売し、大ヒット
車、カメラ、世界初のCD──消費社会へ
「1982年は、高嶺の花だった車やカメラなどが大衆化されたことも特徴的です」
と、放送作家の野呂エイシロウさんは言う。
車なら日産の「マーチ」、カメラならキヤノンの「スナッピイ50」などが登場し、中流家庭でも、がんばれば“憧れ”が手に入る時代になったのだ。
「高価だったものが手に入りやすくなり、大衆の購買意欲を刺激。これが大量消費社会につながっていったのです」(野呂さん・以下同)
さらにこの時代、購買意欲をそそる“新しいモノ”も発売された。それが、CDプレーヤーとCDソフトだ。
「1982年10月1日、世界初となるソニーと日立・DENONのCDプレーヤーが発売され、それに合わせて、CBSソニーとEPICソニーから50タイトル、日本コロムビアから10タイトルのCDソフトが世界で初めて発売されました。これは画期的でしたね」
アメリカのトラッドスタイルが流行
一方、ファッションでは、アメリカのトラッド(トラディショナル)スタイルがブームに。
「当時は、アメリカ文化こそ流行の最先端であり、憧れでした。それらはファッション誌にも取り上げられ、『POPEYE』(マガジンハウス)や『ホットドッグ・プレス』(講談社)に掲載されていた、ワッペン付きのスタジャン(スタジアムジャンパー)やレイバンのサングラス、コンバースのスニーカーなどをみんながこぞって買っていました」(鈴木さん)
1982年は女子大生をターゲットとした女性誌『CanCam』(小学館)も創刊。ブレザーなどのトラッドスタイルに加えて、ベネトンのカラフルなニットやアルマーニのジャケットなどが紹介されると、大ブームとなった。
「みんな同じテレビ番組を見て、同じものを持ち、同じ格好をしているという“一体感”もまた、この時代の特徴だったといえます」(鈴木さん)
