国際情報

ウクライナ支援に乗じる詐欺グループ出現 気をつけるべき団体の見分け方

(共同通信社)

世界に向けて支援を呼び掛けるゼレンスキー大統領(共同通信社)

 ロシア軍による蛮行と、ウクライナの悲惨な現状が連日報じられている。目を覆いたくなる惨状だが、そこから彼らを救うためにできることがある。遠く離れた日本からでも、いますぐできる「支援」とはどんなことか。

 ほとんどの国際機関やNGOは、ホームページ上で活動内容を公開している。それを見れば誰に向けてどんな支援を行っているかがわかる。

 たとえば「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」は、ウクライナ国内で避難した人たちが滞在できる施設を開設し、国境を越えて避難してきた人々の保護やサポートを行っている。「WFP(国連世界食糧計画)」は食糧支援に重きを置いて活動しており、「日本ユニセフ協会」は子供とその家族を対象に水や衣類を提供している。国際機関やNGOのホームページを見ればより詳しい内容が掲載されているので、自分がどんな支援をしたいのかを考える材料にしてもらいたい。

 寄付先の中には、この機に乗じた詐欺グループも存在する。どう見分けるか。寄付アドバイザーの河合将生さんがいう。

「団体の連絡先や住所が公開されていないところは気をつけてください。年次報告書や財務報告書、役員名簿などの情報が公開されているかも重要です。また、寄付金には領収書が発行されるのが一般的です。領収書が出ない団体にも注意が必要です」(河合さん)

 現地での活動内容について定期的に発信していない団体も要注意だという。新しい支援の形も注目されている。SNSを使った支援だ。ITジャーナリストの小山哲太郎さんが解説する。

「大道芸人やストリートミュージシャンなどに投じるお金を“投げ銭”と呼びますが、オンライン上で“投げ銭”できる寄付の仕組みが広まっています。サイト独自のポイントや暗号資産(仮想通貨)をクレジットカードで買い、ウクライナに物資を届ける支援団体などに送るというパターンが多いようです」

 ウクライナからの避難民が身を寄せる周辺国で日本人が支援活動を行い、その様子を公開する動画に“投げ銭”が集まるという実例もあるようだ。支援活動が、目に見える状況下でも注意が必要だ。

「支援の実態がないのに、寄付を募るという、詐欺を働こうとするサイトが出現しているようです。募金サイトを利用するならURLの最後を確認してください。『.org』『or.jp』の場合は非営利団体が運営していることが多く、信頼の目安になります。

 いまでは楽天ポイントやTポイント、Pontaポイントなどでも寄付が可能です。これらは有名大手企業が運営していることもあり、安心して寄付できる方法といえます」(小山さん)

 少しでも多くの人の命が救えるよう、手段は慎重に選びたい。

※女性セブン2022年4月28日号

ウクライナ西部の町で支援物資の衣類を手にする女性(共同通信社)

ウクライナ西部の町で支援物資の衣類を手にする女性(共同通信社)

ウクライナの首都キーウ近郊の損壊した建物(共同通信社)

ウクライナの首都キーウ近郊の損壊した建物(共同通信社)

(写真/アフロ)

ロシア軍の非道な行いが続々と発覚している(写真/アフロ)

次女のカテリーナ氏。アクロバットロックンロールの大会に出場した時の写真(AFLO)

次女のカタリーナ氏。アクロバットロックンロールの大会に出場した時の写真(AFLO)

元妻・リュドミラさんと2人の娘と撮影した家族写真(AFLO)

元妻・リュドミラさんと2人の娘と撮影した家族写真(AFLO)

幼少期の娘を抱くプーチン氏(AFLO)

幼少期の娘を抱くプーチン氏(AFLO)

長女のマリア氏(写真=SPUTNIK/時事)

長女のマリア氏(写真=SPUTNIK/時事)

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン