写真右は加藤理事長。改革方針をまとめた報告書を文科省に提出する(時事通信フォト)

写真右は加藤理事長。改革方針をまとめた報告書を文科省に提出する(時事通信フォト)

──ただ?

「まあ、背任で逮捕された2人(井ノ口忠男氏と籔本雅巳氏)は、カネは(田中氏の)女房に渡したと証言していて、もし事実なら女房は俺にもそう打ち明けたはずだが、地検の家宅捜索の最中、階段から落ちて頭に怪我して会話ができなくなってしまった。それでも地検は女房を挙げるって言うんで、俺が認めた。で、女房は不起訴になったんだ」

──しかし、地検は家宅捜索で多額の現金を見つけている。

「あれは、女房の店(ちゃんこ料理店)の売り上げなどで……。いや、そんな話はもういい。とにかく終わったことだ」

──トップとしての責任をどう考えているのか。

「部下のやっていることに目が届かなかったのは事実。もちろん大学のトップとして責任はある。ただ、理事は全部俺の息がかかっていたとか、そんなことは一切ない」

──生徒への謝罪がないという指摘については?

「それを言うなら、俺がOB組織の校友会経由で、どれだけ学生たちに奨学金を出してきたか。それに附属の幼稚園、小中から新学部や病院まで設立して、全力で大学と生徒のために尽くしてきた。大学のことを真剣に考えてきたからこそ、日大がダメになる再生案に断固反対しているつもりだ」

「事実無根です」

 田中氏は以上のように語ったが、この言葉に真摯に耳を傾ける者がどれほどいるだろうか。そんな疑義を抱いている最中、日大の現理事らに一通の文書が郵送されたという情報が入った。差出人は、田中体制を批判し続けてきた瀬在幸安・元日大総長だという。

 田中氏は2013年に総長制を廃止し、理事長に権限を集約させたが、瀬在氏はそれ以前、総長在任中(1996~2005年)から田中氏の金銭疑惑を追及するなどしてきた人物だ。2018年5月に発生したアメリカンフットボール部の悪質タックル事件に際しては、田中氏の辞任を求めた。今年3月には、今回の不祥事を踏まえ、再発防止のための改革案を公表。「日大が再生する一歩にしてほしいと思い、全力で改革案を作った。日大は再発防止策を推し進めてほしい」とも訴えた。

 それだけに、日大の改革を後押しする内容かと思われた。だが、文書を入手すると、そうではなかった。意外なことに、田中氏の懸念を裏打ちするかのようなものであった。以下、その中身だ。

〈再生会議の報告書について 日本大学のアイデンティティや私学の特色を無視した方向性になるようです。まずは理事と評議員です。昨年9月8日時点の理事・評議員は全て一律に再任ができないようです〉

〈無傷の学部長は、【1】経済、【2】文理、【3】生産、【4】医学部、【5】生物資源の5人です。この中から4人の理事を出すことになるようです。その他の学部長はとりあえず、学部長のままですが、令和5年度中に新規定で選挙をすることになります。その際、再選は禁止になるようです。(中略)文部科学省は日大を私立大学改革のための生贄にするつもりのようです〉

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