ライフ

「春の眠気」にどう対処する? 「長過ぎる仮眠」や「二度寝」は避けるべきか

(写真/AFLO)

仮眠を取る場合は、デスクで眠るなど深い睡眠にならないような工夫が必要(写真/AFLO)

 長くて寒い冬が終わり、活動しやすい季節になったのに、どうにも眠気が治まらない──たとえ病気でなかったとしても日中の強い眠気は家事や仕事の邪魔になる厄介者だ。雨晴クリニック副院長の坪田聡さんが言う。

「日中、眠気を感じたらそれと闘うか身を任せるかを決め、それぞれ効率的な対策を取ることをおすすめします。

 眠気にあらがい、起きたままでいたいなら、カフェインを摂ると同時に交感神経を高める方法が有効です。まずはコーヒーなどカフェインの入った飲み物を飲み、覚醒効果が表れる30分後まで、冷たい水で顔を洗ったり、顔を軽くたたいたり、交感神経を優位にする行動を取り入れてください。ガムをかんだり、ウオーキングなどもいい。脳を覚醒させる働きを持つセロトニン神経を活性化させます。おしゃべりや歌を歌うのもおすすめです」

 眠気に身を任せるのならば、昼寝を上手に取り入れるべし。スタンフォード大学睡眠・生体リズム研究所所長で睡眠専門医の西野精治さんも、短時間の仮眠は健康効果を高めると話す。

「1960年代に比べて日本人の睡眠時間は、約1時間も減っています。国民全体が慢性的な寝不足で『睡眠負債』を抱えているため、近年では、眠気を感じたときに仮眠を取った方が体にいいと考えられています。実際に短時間の仮眠は、生活習慣病や認知症などさまざまな病気の罹患リスクを下げることが明らかになっている」(西野さん)

 ただし、長すぎる昼寝は禁物だ。

「仮眠は30分程度。長くても1時間以内にとどめてください。短時間の仮眠に健康効果がある一方で、毎日1時間以上仮眠を取る人は認知症のリスクが逆に高くなるという報告も あります」(西野さん)

 RESM新横浜 睡眠・呼吸メディカルケアクリニック院長で睡眠専門医の白濱龍太郎さんも声を揃える。

「長時間の仮眠は、体内時計を狂わせるため、夜の睡眠に影響を与えかねない。そのうえ、眠ってしまったせいで昼間にできなかった作業が夜に後ろ倒しになると、脳が遅い時間まで覚醒したままになり、いざベッドに入っても入眠しづらくなってしまう。時間を決めずにソファでうたた寝するなど、漫然とした昼寝は避けてください」

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン