(写真/Getty Images)

眠気にあらがって起きている場合は、洗顔するなど交感神経が優位になる行動をするべし(写真/Getty Images)

花粉症で睡眠時間は短くなる

 昼間の眠気を抑えるための根本的な対策は、夜に質のいい睡眠を取って疲れを持ち越さないことだ。西野さんは「湿度と体温調節が重要」だとアドバイスする。

「人間は眠りが深くなるほど体温が下がるため、入眠時に体温を下げるように心がければ質のいい睡眠につながります。パジャマや布団、枕などは、熱が逃げるような通気性が高いものを選んでください。ただし春は寒暖差が激しいため、薄い布団を隣に置いて寝るなどの工夫が必要です」(西野さん)

 いまの時期は寝室に花粉を持ち込まないことも重要だ。

「鼻がつまっていると呼吸がしづらく、睡眠が浅くなってしまう。花粉症の人は花粉の時期になると、1日あたりの睡眠時間が平均約1・2時間も短くなるといわれています。花粉はお風呂でしっかり落として、布団や枕は外に干さずに布団乾燥機などを使うといいでしょう。部屋の湿度は50%が理想。花粉が舞い上がりにくくなります」(坪田さん)

 寝る前の行動も、睡眠の質を左右する。

「特に気をつけるべきは、強い光を浴びないこと。よくスマホのブルーライトが睡眠に影響を及ぼすといわれますが、光量などを考えると、深夜のコンビニに出かける方が悪影響です。スマホ以上の明るい光を浴びると、睡眠ホルモン『メラトニン』の分泌が抑制されて、脳が覚醒してしまいます。コンビニまで歩いて、何を買おうかと頭を使って考えるのも睡眠を妨げます。

 良質な睡眠を取るにはオンオフを切り替えるのが大事ですが、苦手な人が多い。夜はなるべく頭を使わずにリラックスすることです。一日の反省をしたり、明日の予定を考えるのも避けてください」(西野さん)

 リラックスするために、白濱さんは五感へ働きかけることをすすめる。

「香りや光、音などで五感を刺激して、自律神経を整えるといいでしょう。血流や血行がよくない人も多いので、発泡性の入浴剤を使うのもいい。リラックス効果に加え、深部体温を調節して深い睡眠に導く働きが期待できます」(白濱さん)

 春の眠りを心地よいものにするために、できることから始めよう。

※女性セブン2022年4月28日号

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