引退後は巨人で打撃投手を務めた(時事通信フォト)
藤井は、プロ野球ファンの間で話題になる騒動が多かった。
プロ2年目の巨人戦で大量点差の打席に立ち、内野ゴロで全力疾走したことで、相手ベンチからヤジを浴びて涙を浮かべた場面は有名だが、2005年5月5日の中日戦もインパクトが強い。
0-0で迎えた5回2死。藤井が内角高めに直球を投げるとタイロン・ウッズが激高し、マウンドに突進。藤井は強烈な右フックを顔面に浴びて倒れ込んだ。ウッズが怒りを露わにした際、マウンド上で藤井が舌を出したのも乱闘劇の一因になったなどと報じられたが、真相はどうだったのだろうか。
「ウッズはその前に何度も厳しくインコースを攻められていたので、神経質になっていたのかもしれません。でも、試合前のミーティングで『インコースにいけ』って言われていたから、こちらはいくしかない。ぶつけるつもりはないです。そこの制球力には自信があったから。でもウッズが怒って指を差してきたから、『当てていないのになんで?』って両手を上げたら向かってきて。
投球の時に舌を出す癖はありましたが、あの時はそういう舌の出し方ではないし、挑発的な意図はないです。右フックで倒れた後に起き上がったけど、クラっときて。その後もしばらく首が痛かった。『ウッズに制裁金50万』って記事を見た時は、僕に(治療費を)払ってくれよと思いました(笑)。ウッズとは3年後に仲直りしましたよ。ブログで一緒に撮影して。『殴ったの、覚えてる?』って聞いたら、『うん、覚えてるよ』って(笑)。普段は温厚な優しい人なんですよね」
当時のプロ野球選手としては珍しく、ブログを毎日更新していた。登板した試合を振り返ったり、私生活の様子を綴ったりするなど内容は様々だった。
「ブログは続けることで習慣化していきました。義務ではないですが、ファンとのつながりの場でもあると思っていたので大事にしていました。炎上したこともありましたが(笑)。ファームにいた時に選手を写真で載せると、(その選手の)お母さんや周りの人たちが喜んでくれると聞いてうれしかったですね。DeNAで広報業務をやっていた時はフェイスブックで球団の情報を発信していたので、ブログをやっていた経験が役立ったと思います」
ブログは現役引退後も続けている。ヤクルトの球団公式マスコット・つば九郎が昨オフに『FA宣言』を行った際は、ブルズのGM補佐として獲得レースに参戦すると宣言。3度交渉した様子を伝えている。ブルズの知名度をいかに上げていくか──。グラウンド外の宣伝活動にもやりがいを感じている。