スポーツ

独立リーグ指導者転身の藤井秀悟 中日・ウッズに右フック浴びた「乱闘劇の真相」語る

女房役だった古田への想いを明かす

女房役だった古田への想いを明かす

 ヤクルト、巨人など現役時代に4球団でプレーした藤井秀悟(44)は現在、関西独立リーグ・06BULLS(本拠地・大阪府東大阪市。以下、ブルズ)でゼネラルマネジャー(GM)補佐兼投手コーチを務めている。その藤井が、NPBと大きく違う環境のなかで、自身の現役時代の印象深い場面を振り返り、今後の展望を語った。【前後編の後編、前編から読む

 * * *
 2014年に現役引退し、巨人、DeNAで打撃投手、球団広報を務めてきた藤井だが、指導は初めて。ブルズの選手たちは向上心旺盛で素直だというが、一方でこんな戸惑いもあったという。

「今はYouTubeで情報を得られる時代じゃないですか。だから動画の内容をすぐに取り入れてしまう。YouTubeはもちろんプラスになる部分も多いですが、選手個々の体格は違うし、体の使い方も違うので、そのまま自分に当てはめてもうまくいくわけではない。話し合って取り組んでいくと決めたことが数日で元に戻っている時があるので、もう一度伝える事があります。そこは根気強く……ですね。こうしようと決めたことを、ある程度の期間やり続ける姿勢は大事だと思う。ダメだったらやめればいい。でもその時に効果が出なくても、あとで『あっ、こういうことだったんだ』って納得できる時があるから。その時間は決して無駄じゃない」

 藤井は「教わったことを鵜呑みにしてほしいわけではない」と強調する。現役時代に複数のコーチに言われたことを聞きすぎて、才能が消えてしまった選手を何人も見てきたからだ。教わったことを自分の中でどう取り入れていくか。藤井は「僕の現役時代は直球が遅いし、凄い変化球があるわけでもない。ただ教わったことのアレンジ能力は高かったと思う」と現役時代を振り返る。

 ヤクルトに入団時は、試合に使える球種が直球とカーブのみ。「先発をしたいなら球種を増やしたほうがいい」と名捕手・古田敦也に助言を受け、ハッカミーにチェンジアップ、島田直也にスライダーを教わりにいった。後輩の石川雅規、川島亮にもそれぞれ曲がり幅の違うカットボールを学んでいる。変化球の投げ方を教わると、マジックペンでボールに握り方を書いて投げたこともあった。微妙に握りを変えたり、リリースの感覚を変えたり……。1つの球種をコツコツと磨いていく作業が好きだったという。現役時代の後半は直球の平均球速が140キロ前後だったが、プロ入り後に身につけた多彩な変化球でアウトの山を重ねた。

 2年目に最多勝を獲得するなど、プロ15年間の通算成績は83勝81敗2ホールド、防御率3.77。「尻すぼみの野球人生ですよ」と自嘲気味に語るが、通算勝利数は「77年世代」でトップだ。ダイエー・ソフトバンクの絶対的エースとして活躍した斉藤和巳の通算79勝を上回る。4度の左ひじ故障を乗り越え、ヤクルト、日本ハム、巨人、DeNAを渡り歩いて積み重ねた立派な数字だ。

関連記事

トピックス

Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン