国内

秋篠宮の告白 前天皇の退位は「人間的に生きる権利という観点から大切なこと」

秋篠宮は何を語ったか(時事通信フォト)

秋篠宮は「権利」について何を語ったか(時事通信フォト)

 コン、コン。ドアのノック音とともに、対話劇は幕を開ける。「寒いですねえ」。部屋に入ってくるなり、そう切り出すのは秋篠宮である。それに応じるのは元毎日新聞編集委員のジャーナリスト・江森敬治氏だ。たわいもない話題に始まり、父親の退位や長男の進学などについて会話は深まっていく。このたび江森氏が上梓する『秋篠宮』(小学館刊)には、そんなやりとりが生々しく描かれている。5月11日の同書発売に合わせて、秋篠宮の肉声を独占掲載する。【全3回の第3回。第1回から読む

 * * *
 前天皇の退位に絡み、皇位継承や皇室のあり方について取り沙汰されることになった。きっかけを作ったのが前天皇のビデオメッセージだ。秋篠宮はどう受け止めたのか。

〈ビデオメッセージが全国に放送された際、秋篠宮邸では、秋篠宮と紀子妃、それに子供たち三人の家族全員がテレビを囲み、聞き慣れた天皇の声に耳を傾けていたという。(略)ちなみに二人の娘たちには、今回の件について父親が事前に説明していたそうだ〉

 退位に対する秋篠宮の考えは至ってシンプルだ。

「ある一定の年齢を超えた時期に余生を大事にすることは、それが天皇であっても同じ人間として人間的に生きる権利という観点からも大切なことではないかと思いました」

 前天皇が退位への考えを表明した後、政府の有識者会議で、「天皇は祈るだけでよい」といった趣旨の保守派の学者の発言が物議を醸した。

 秋篠宮は「このように話している人たちは、天皇が『祈ることができない状況』になった場合には、どのようにするべきだと考えているのでしょうか」とも語っている。

 これらの発言の背景に、江森氏は「皇室に対し、国民の理解が及んでいない」ことの苦慮を読み取る。江森氏は秋篠宮のこんな本音も聞いたという。

「どこに行くにも、必ず何人かついてきたりとか、それはやはり窮屈に思ったことはあります。そういう生活を、あなたやってごらんなさいと言われたら、十人中十人が窮屈だと思うでしょう。私も同じ人間ですから」

 皇室は今も昔も厚いベールに包まれている。一方で国民の関心は極めて高い。このギャップがSNS全盛時代では、真偽不確かな情報を産み出していく。そこに苦しんだのが小室眞子さんだろう。

 冒頭(第1回記事)に紹介した「パラリーガルでもよい」発言には続きがあった。

〈(秋篠宮は、結婚後の長女の新生活に対して)年収や生活面についても、柔軟に考えていた。例えば眞子内親王も働くとか、東京都心は家賃が高いので近県に賃貸マンションを探して住むといった具合に、とにかく工夫しながら「二人が身の丈にあった生活をすればよいのではないでしょうか」と率直に語っていた〉

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン