料理のハードルを少しでも下げたい
──番組に対する反響をどのように受け止めていますか?
矢野P:「癒される」といった感想は狙い通りですが、まさかここまでの反響をいただくとは……。「この番組おもしろいよ!」というふうに漫画やイラストまで描いていただけたのは、うれしい驚きでした。皆さんに共感してほしかったポイントに気づいていただけたのも、ありがたかったです。
──共感してほしかったポイントとは?
矢野P:ジャガイモの皮を剥いたり、調味料を量ったりするのは、普通の料理番組だと省略する部分ですが、料理をする上で絶対にある工程じゃないですか。そういう細かい作業を省略せずに見せることで、「そうそう! 量るの面倒やねん」「お皿洗わなあかんのよ」という反応を頂けました。
──『DAIGOも台所』では、試食の後にDAIGOさんがお皿を洗いますよね。
矢野P:それも普通はテレビでは省略する部分なんですが、やっぱり日々の料理で誰もがお皿を洗っているわけですから。「その日の感想を語りながらお皿を洗おう」と決めました。ただ、「これができなかった」のようなネガティブなことを話しながらお皿を洗っていると、皿洗いが罰ゲームのように見えてしまいかねません。なので、DAIGOさんにはその日習ったことや印象に残ったことなど、前向きなことを語っていただくようにしました。
──番組の今後の展望を教えてください。
矢野P:番組発のミールキット(レシピと食材のセット)や冷凍食品、調味料などが販売できたらいいですね。派生ビジネスというよりは、「日々の料理にこういうものを使うと便利だよ。自分でイチから食材を用意したり、計量したりしなくてもいいんだよ」という選択肢を増やして、料理というもののハードルを少しでも下げていくことができれば幸いです。
──最後に、『DAIGOも台所』でお気に入りのシーンを教えてください。
矢野P:難しい質問ですね……! 好きなシーンはたくさんありますが、一番となると、餃子を包むところかもしれません。先生の餃子と自分の餃子を並べて、「どっちがどっちかわからないですよね」と言うドヤ顔。褒められたい気持ちを素直に出せる小学生男子みたいな無邪気さ、あれがかわいくて……。
──視聴者だけでなく、スタッフの方々も“DAIGO萌え”をしているんですね。
矢野P:その通りです。僕は42歳なんですが、42歳のおっさんが44歳のDAIGOさんに萌えている。『DAIGOも台所』は、そういう現場です(笑)。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)