国内

ロシアや東欧出身の女性たちが日本で「理不尽」に直面することが増えている

渋谷で行われたロシアによるウクライナ侵攻に抗議するパレードで、戦争反対を訴えるロシア人女性。数千人のさまざまな国籍や年代の人が参加した(時事通信フォト)

渋谷で行われたロシアによるウクライナ侵攻に抗議するパレードで、戦争反対を訴えるロシア人女性。数千人のさまざまな国籍や年代の人が参加した(時事通信フォト)

 2月21日にプーチン大統領がロシア軍のドンバス派遣を命じて本格化した、ロシアによるウクライナ侵攻は、3ヶ月目になった今も終わりが見えない。多くの国からロシアの現体制への批判と非難が集まるが、同時に世界各地でロシアに関わるものすべてに対する、言いがかりとしか言えない嫌がらせや、ときにはヘイトクライム(憎悪犯罪)まで起きている。それは、日本も例外ではないらしい。ライターの森鷹久氏が、錦糸町などで働くロシアや東欧出身の女性たちに、投げつけられる悪意に疲弊する今について聞いた。

 * * *
 ロシアによるウクライナ侵攻から始まった紛争が苛烈さを極める中、世界中にいるロシア人やウクライナ人たちは、日常を送ることが難しくなっている。G7加盟国をはじめとした主要国は、ロシアによるウクライナと国際平和を侵害する行為だと侵略戦争への非難を繰り返している。そして世界各地でロシアやロシア文化に対する差別や嫌がらせが報告されており、我が国においてもロシア料理店や物産店への嫌がらせなどが発生していると報じられている。

「私たち従業員同士はとても仲が良いです。でも、国には家族がいて、明日死ぬかもしれないという怖さもある」

 こう話すのは、都内有数の繁華街を要する東京・錦糸町のロシアンパブに勤務するイリーナさん(30代)。ロシアンパブと名乗ってはいるが、従業員数名のうちロシア人は半分程度で、イリーナさん自身はウクライナ出身、他にもポーランドやベラルーシ、ルーマニアなど、ロシア以外の東欧地域出身者もいるといい、最近の話題はもっぱら戦争にまつわるものばかりだという。

「もちろん戦争の話はするけど、私たちにはどうしようもない。戦争が終わること、国の家族や友達の無事を祈ることしかできない。ロシアの人との喧嘩? それは全くないです。ウクライナも心配だけど、ロシアの人はやっぱりロシアが心配だし、みんな故郷や家族、友達のことを思わない日はないのです」(イリーナさん)

 日本国内でもロシアやウクライナ出身者が様々な意味で注目を集める中、彼ら、彼女たちに対する誹謗中傷めいた言説が、ネットでもリアルでも飛び出すことが少なくない。一方で当事者であるイリーナさんたちは、そんな誹謗中傷に反論する気力も沸いてこないほど焦燥し、神経をすり減らす日々が続いているのだ。だからこそなのか、当事者間で、母国の立場に沿って主張し合う、ということもほとんどない。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」の会長である永谷晶久さん
《都道府県魅力度ランキングで最下位の悲報!》「埼玉には『うどん』がある」「埼玉のうどんの最大の魅力は、多様性」と“埼玉を日本一の「うどん県」にする会”の会長が断言
NEWSポストセブン
受賞者のうち、一際注目を集めたのがシドニー・スウィーニー(インスタグラムより)
「使用済みのお風呂の水を使った商品を販売」アメリカ人気若手女優(28)、レッドカーペットで“丸出し姿”に賛否集まる 「汚い男子たち」に呼びかける広告で注目
NEWSポストセブン
新関脇・安青錦にインタビュー
【独占告白】ウクライナ出身の新関脇・安青錦、大関昇進に意欲満々「三賞では満足はしていない。全部勝てば優勝できる」 若隆景の取り口を参考にさらなる高みへ
週刊ポスト
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン